AIに任せていいこと、任せてはいけないことは? 副業で「勝っている人」がやっていること

ChatGPTが公開されてから2年あまり。生成AIは今や、ビジネスパーソンの日常に深く入り込んだ。仕事が楽になった反面、「このままでは仕事を奪われるのでは」という不安を抱える人も増えている。給料が上がる見込みは薄く、副業への関心は高まるばかりだ。
「AIで仕事を奪われると騒がれている裏には、AIで仕事を奪っている人がいる」
書籍『AI副業の教科書』が10万部を超えるあべむつきさんはこう語る。
スキルも実績も、特別な才能も必要ない。AIが「価値」を作れるようになった今、普通の人が副業で稼ぐ時代が始まっている。最初の一歩の踏み出し方とは。連載全3回の最終回。
目次
誰もやっていない切り口を生み出す力はない
AIを副業に活用する上で、何を任せて何を自分でやるかを整理しておくことが重要です。
AIが得意なのはコンテンツの実行です。文章の生成、画像の量産、動画の構成案の作成ーーこうした作業はAIに任せることで大幅に効率が上がります。リサーチの精度も高く、ハルシネーション(事実と異なる情報の生成)が少ないツールを選べば、調査の工数も削減できます。
一方でAIが苦手なことも明確にあります。それは、完全に新しいアイデアを生み出すことです。ネタ切れになったときにAIにアイデアを出してほしいと頼むと、100個でも200個でも出してくれます。ただ、その中から現実的に使えるものを選んでいくと、結局は既存のコンテンツの焼き直しに行き着いてしまうことが多い。誰もやっていない切り口を生み出す力は、現時点ではAIにはまだ備わっていません。
したがって「最初の設計」は人間がやらなければなりません。どのジャンルで発信するか、誰に向けて届けるか、どんな切り口で差別化するか——こうした根本的な問いに答えるのは、自分自身の経験や感覚にしかできません。AIはその設計をもとに動いてくれる実行者であって、設計者にはなれないのです。
また発信の継続判断も人間の仕事です。反応が薄い状態を数字で確認したら、ジャンルや切り口を変える決断を自分でしなければなりません。AIはコンテンツを作る速度を上げてくれますが、方向性が間違っていれば間違ったコンテンツを大量に作り続けることになります。AIをうまく使っている人ほど、任せる部分と自分で判断する部分の境界線を明確に持っています。
今すぐ触っておくべきAIツール
AIツールは種類が多く、どれを使えばいいか迷いやすい分野です。用途別に整理します。
総合的に最もおすすめしているのはManusです。画像を100枚まとめて生成するよう指示すれば100枚作ってくれる量産力と、リサーチ精度の高さが特長です。さらに常に最新の高評価APIを自動で取り込んで使ってくれるため、画像生成や動画生成の分野で最優秀ツールが頻繁に入れ替わる中でも、Manusを使っていれば自然とその時点での最良の選択肢を使えます。もともと中国発のツールで抵抗感を持つ方もいましたが、Metaに買収されたことで心理的なハードルも下がりました。
用途別の目安は次の通りです。画像生成はFlux Pro、動画生成はVeo3がいずれもManus経由で使えます。音声の自然さではGoogle AI Studioが現時点で優れています。深いリサーチにはManusに加え、ChatGPTのプロモードも選択肢に入りますが、費用がかかるため用途に応じて使い分けてください。動画の字幕付けや編集にはVrewが使いやすく、AIが自動で字幕を生成してくれるため作業時間を大きく削減できます。
普段の仕事でClaudeやGeminiを使っているという方も多いかもしれません。ただ仕事周りのツールだけを使っていると、副業で活きるAIの可能性を把握しにくい。まずManusを触ってみることで、AIで何ができるかの感覚がつかみやすくなります。
ツールの選定で迷ったときの原則は、「今その用途で最も評価されているものを使う」という一点に尽きます。AIの世界は進化が速く、半年前に最良だったツールが今も最良とは限りません。アンテナを張り続けることも、AI副業を続ける上での重要なスキルの一つです。