「高く売れた」と喜ぶ人が陥る罠。マンションを住み替えていい人・ダメな人を見分ける3つの絶対条件
「予算の限界を感じて、家を買うのを諦めかけている」――そんな焦りを感じているビジネスパーソンは少なくないだろう。マンション高騰の波に乗り遅れたと嘆く前に、正しい戦略を持ち、冷静に市場を見渡すことが重要だ。
本稿では、不動産のプロフェッショナルとして知られる稲垣ヨシクニ氏が、自分たちの身の丈に合い、かつ将来への投資にもなる“最適解”を包み隠さず公開。家を「消費財」と捉えるマインドセットの変革から、プロだけが知る「15%安く買う」投資ロジック、そして世帯年収「1000万円」「1500万円」「2000万円」それぞれの層がリアルに狙うべき具体的エリアまでを徹底解説していただいた。全5回の第2回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
「数千万円の含み益が出たから家を売る」という大きな勘違い
昨今、2020年頃までにマンションを購入した方から、「自宅が値上がりして含み益が数千万円出たので、これを機に売却して利益を確定させたい」というご相談を非常によく受けます。たしかに、買った時よりも高く売れるのであれば、一見すると大儲けできているように錯覚してしまいますよね。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。安易な「含み益確定の住み替え」は、実は数字上、プラスマイナスゼロ、あるいは実質的にマイナスになってしまうケースが後を絶たないのです。
高値で売れたのに“実質マイナス”になる恐ろしいカラクリ
なぜ、含み益が出ているのにマイナスになり得るのでしょうか?
例えば、5000万円で買ったマンションが1億円で売れたとします。5000万円の利益です。大成功に見えますよね。しかし、当然ながら売却後は新しい住まいを見つけなければなりません。ここが最大のポイントです。
あなたが今住んでいる家が値上がりしているということは、当然、次に買おうとしている家も同じように全体的な相場が値上がりしているのです。以前なら5000万円で買えたような同スペックの物件が、今は1億円近くを出さないと買えません。
さらに、不動産の売買には多額の諸経費がかかります。仲介手数料、登記費用、引っ越し代など、売る時と買う時の往復で、物件価格の約10〜11%もの手数料が飛んでいくことになります。先ほどの例で言えば、1億円の売買を往復で行えば、それだけで1000万円以上の現金が手数料として消えていく計算になります。
つまり、単に「儲かったから利益を確定させたい」というだけの理由で住み替えを行うと、手元に現金は残るものの、住環境のスペックは大きく下がり、無駄に手数料だけを搾取される結果になりかねないのです。これが、「住み替えは数字上プラスマイナスゼロになりがち」という仕組みの正体です。