決算シーズン到来!原油高のノイズを抜けた先にある「生成AIのコア」。真のフェアバリューとROE戦略で狙うべき「お宝」セクターは?
いよいよ4月中旬以降、3月期企業の決算発表という最大のイベントを迎える日本株市場。イラン情勢を受けた原油高が、各社の期初ガイダンス(業績見通し)にどのような影を落とすのか。市場は疑心暗鬼に陥り、株価のフェアバリュー(適正価値)を見失いつつある。
しかし、fundnoteのファンドマネージャー・神谷悠介氏は「マクロの恐怖で売られているが、優良企業の稼ぐ力は驚くほど変わっていない」と断言する。マクロの恐怖とミクロの現実。
この圧倒的な乖離(ミスプライシング)を突くセクター戦略と、今後の日本株の命運を握る「ROE(自己資本利益率)」の真髄を紐解いていく。
(取材日:2026年4月7日、文:ちょる子)
みんかぶプレミアム連載「fundnote 川合・神谷の目」
目次
計画停電リスクの虚実。データが暴く「過剰な恐怖」
足元の市場では、ホルムズ海峡の封鎖懸念により、一時WTI原油は110ドルを超える暴騰となった。これを受け、日本国内で計画停電が起きたり、ガソリンが枯渇して物流が完全に停止したりするのではないかという、テールリスク(発生確率は低いが甚大な被害をもたらすリスク)がまことしやかに囁かれている。もしこれが現実となれば、あらゆる企業の生産活動がストップし、株価にはさらなる下値余地があることになる。
しかし神谷氏は、エネルギー統計のファクトを引き合いに出し、この懸念を一蹴する。
「日本の電力供給の60%強は、石炭(一般炭)とLNG(液化天然ガス)が担っています。一般炭はオーストラリアなどからの輸入が中心で価格も落ち着いていますし、LNGのうちホルムズ海峡を経由するものは全体のわずか5〜6%に過ぎません。ガス供給に関しても、米国や豪州産がメインであり権益もしっかり確保されています。したがって、ロシア・ウクライナ侵攻時のようなエネルギー危機には直結せず、計画停電のシナリオは極めて非現実的です」
さらに、原油に関しても「日本には国家備蓄と民間備蓄を合わせて約250日分(約8ヶ月分)という、世界的に見ても極めて高水準な蓄えが存在する」と指摘する。
「日本のガソリンが枯渇して車が動かなくなる前に、真っ先にリスクが顕在化するのは備蓄が少ないインドネシアなどの東南アジア諸国です。インドネシアではすでに1日50リットルといったガソリンの供給制限が見られ始めています。日本の投資家が本当に警戒すべきは、国内のインフラ停止ではなく、東南アジアに展開している現地工場の物流が滞り、サプライチェーンが寸断されるリスクの方です。連想ゲームの入り口を間違えてはなりません」
つまり、日本経済全体が機能不全に陥るという前提での日本株の全面安は、明らかに「売られすぎ」の領域にあるということだ。
生成AI投資は止まらない!大本命になる注目セクターの精緻な選別法
原油高のダメージを直接受ける企業が保守的なガイダンスを余儀なくされる一方で、「原油価格の変動に全く関係のない、強烈な成長テーマ」が存在する。
生成AI、そしてそれを根底で支えるデータセンターへの莫大な設備投資だ。
「GoogleやAmazonといったハイパースケーラーが、中東で戦争が起きたからといって生成AIへの大規模投資を先送りするでしょうか? 答えは絶対的なノーです。彼らは予定通り資金を投下し、データセンターを拡張し、光ファイバー、光ケーブルを買い続けます。この不可逆なメガトレンドに直結する企業こそが、今回のマクロ調整局面において再び資金が集中する最大のターゲットとなります」
その筆頭格が、データセンター向け光ケーブル等を手掛ける「電線御三家」である。