40代で年収1300万円のゲーム会社員はスウィングトレードで「1日1万円の利益を目標に」なぜなのか――負けても損切りしないですむ理由
「会社員としての安定を捨てずに、どこまで個人の稼ぎを最大化できるか」――。そんな現代的な問いに対し、驚くほど軽やかな足取りで答えを出している人物がいる。
さまざまな職種、経歴の方のリアルなお金事情をあらいざらい暴露していくみんかぶプレミアム連載「あなたの給与明細 見せてください」。
第2回は、都内の大手ゲーム会社で企画運営職に就きながら、多数の登録者数を持つゲーム系YouTuberとしても活動、さらに足元では株式のスイングトレードで着実に利益を積み上げているA氏(40代後半)のマネー事情に迫る。
組織の中核として働きながら、副業と投資を掛け合わせ、世帯ではなく「個人」で年収1300万円を超えたA氏の戦略を徹底解剖。10年超のYouTube活動で培った「ポイント還元によるランニングコスト・ゼロ」の裏技から、朝のわずか1時間で勝負を決める「負けないためのスイングトレード」の極意まで、変化の激しい時代を生き抜くための“多角的生存戦略”を語っていただいた。短期連載全3回の第2回。
目次
「利確1%」で回す、攻守兼備のスイングトレード。負けても配当で凌ぐ「負けない」ための出口戦略
私が投資において最も重視しているのは、実は「大きな利益」ではなく「心地よい撤退」です。先ほど1日1万円の利益を目標にしているとお話ししましたが、そのための具体的なルールは「1%の利益で欲張らずに降りる」こと。
例えば、私が好んで取引するINPEX(国際石油開発帝石)や、海運株の川崎汽船などは、非常に値動きが激しい。朝の気配値を見て、適正と思われる位置に買いの「地雷」を仕掛けておき、約定したら即座に1%上の価格で売りの指値を入れておきます。100万円分買っていれば、1万円のプラス。これでいいんです。
多くの投資家は「もっと上がるかも」と欲を出してホールドし、結局含み損に転落してしまいます。しかし、私の本業はあくまでゲーム会社の会社員。日中にチャートを追いかけることはできません。だからこそ、「あらかじめ決めたポイントで機械的に利確する」という、感情を排除した仕組みが不可欠なんです。
もちろん、このやり方にも弱点はあります。思惑が外れて、株価が急落してしまった時です。
「任天堂」での失敗と、損切りをしないための「高配当」という保険
最近の大きな失敗は、任天堂株でした。ゲーム業界に身を置く人間として、また一ファンとして、500万円ほどの資金を投じて勝負に出たのですが、あえなく下落。現在も大きな含み損を抱えたまま、資金が「ロック」された状態になっています。
普通、デイトレードやスイングトレードの世界では「損切り」が鉄則と言われます。しかし、私はあえてすぐには切りません。なぜなら、私が選ぶ銘柄は、インペックスにせよ任天堂にせよ、基本的には「配当利回りが良く、倒産リスクが極めて低い優良企業」に限定しているからです。
もし含み損になっても、それは「高配当の貯金箱」に変わっただけだと考える。配当をもらいながら、株価が戻るのを数ヶ月、あるいは数年単位で待てばいい。この「負けても死なない」というセーフティーネットがあるからこそ、朝の30分で大胆な指値を入れられるんです。
実際、今日もこのインタビューの直前に川崎汽船を買い、すでに数千円のプラスが出ています。こうした「小さな成功」を積み重ねる感覚は、どこかゲームの攻略に似ていますね。
「会社員」という最強のポートフォリオを維持する理由
これだけ副業と投資が軌道に乗っているなら、会社を辞めて「独立」という選択肢はないのか、とよく聞かれます。しかし、今のところそのつもりはありません。
私にとって「会社員」であることは、単なる給与所得以上の価値があります。社会保険や信用といった面はもちろんですが、何より「本業の安定」があるからこそ、副業で尖った企画に挑戦でき、投資でリスクを取ることができる。
もし投資一本になったら、1日の数万円の負けに精神が削られ、今のような冷静な判断はできなくなるでしょう。ゲーム制作、YouTube、投資。この3つが互いに補完し合い、どれかがダメでも他が支える「多重構造」こそが、私が20年かけてゲーム業界という荒波の中で辿り着いた、最も生存確率の高い生き方なんです。