いつ途絶えるかわからない養育費。国のお金で「稼ぐ力」を手に入れ、元夫に依存しない完璧な生活設計の作り方
離婚を決意したとき、多くの女性は「自分には十分な収入がないから、親権は取れないはず」と思い込んでいる——しかし、その思い込みが最悪の事態を招くことがある。お金の不安から相手の要求に押し切られ、今月(2026年4月)から導入された「共同親権」に安易に同意してしまった結果、離婚後も子どもの進学や医療で元夫に干渉され続け、「終わらない支配」を受けるケースがこれから間違いなく急増するのだ。
数多くの離婚相談を受ける離婚カウンセラー・行政書士の森本由紀氏は、「親権は収入で決まるわけではない。使える公的支援を『知らなかった』では、損をするどころか自立への道が絶たれて終わる」と警鐘を鳴らす。月10万円を受け取りながら資格を取る制度から、あてにしてはいけない養育費の現実まで。離婚後の生活において「制度と数字」を把握していないことは、丸腰で戦場に出るようなものだ。
今回は森本氏に、離婚後に女性が陥りやすい「生活設計の落とし穴」と、今月から始まった共同親権の注意点、そして絶対に損をしないためのひとり親の自立支援・マネー戦略について話を伺った。
みんかぶマガジン連載「絶対に損はしたくない!泥沼離婚のマネー戦略」第7回
目次
子どもを育てながら自立する。収入と生活費の現実的な設計
——ひとり親になった後、生活費はどう考えておけばいいですか?
「婚姻関係が続いている別居中は、夫に婚姻費用として生活費を請求できます。金額は収入と子どもの数によって裁判所が算定表を出しているので、それが目安になります。ただ離婚が成立した後は、子どもへの養育費のみになります。養育費だけで生活が成り立つかどうかは人によって異なりますが、基本的には自分の収入で生活を賄える状態を目指した上で、養育費はそこに上乗せされるものと考えておく方が安全です。養育費が止まってから初めて気づくのでは、立て直しが難しくなります」
——子どもを育てながら仕事を確保するのは、現実的に難しくないですか?
「簡単ではありませんが、そのための制度がいくつかあって、うまく活用すれば負担はかなり軽くなります。ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金は、就職に有利な資格取得のための講座を受けた場合に費用の6割が支給される制度です。さらに看護師や介護福祉士、保育士といった専門職の資格を取るために専門学校に通う場合は、高等職業訓練促進給付金として在学中の生活費が月10万円程度支給されます。学びながら生活費も受け取れる仕組みが整っていますが、知らないまま離婚してしまう方が非常に多い」
養育費が止まったとき、頼れるのは自分の収入だけだ。その収入をどう確保するかを、離婚前から考え始めておく必要がある。
使える公的支援を知っているかどうかが、離婚後の差になる
——資格取得の給付金を申請する際に、注意することはありますか?
「雇用保険の教育訓練給付金と、ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金の対象講座は同じです。ただ、ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金の方が給付率が高い。雇用保険から給付金をもらえる人も、差額を自治体から受け取れます。受講前に役所の窓口で相談するのが一番です。」
——離婚後の生活を安定させている方に、共通することはありますか?
「事前にお金の流れを把握していた、働く準備をしていた、相談できる場所を持っていたという3点が共通しています。逆に苦しくなる方は、なんとかなると思っていた、情報を取りに行かなかった、プライドで相談できなかった。離婚後は後ろめたい気持ちから外出を避けがちになる方が多いのですが、積極的に外に出て友人や知人とつながりを広げた方がいい。ネットワークが広ければ仕事の情報も支援の情報も入ってきやすくなります。広く浅い関係で十分です」
制度は申請しなければ受け取れない。情報を取りに行くことそのものが、離婚後の生活を守る最初の行動になる。