「もっと上がる」という欲が資産を減らす・・・年間配当900万円の投資家が教える配当を最大化させる「7:3戦略」

米国のトランプ政権による関税強化の動きや、日銀の利上げ判断をめぐり、2026年の株式市場は不安定な値動きが続いている。
新たな政策テーマや国策銘柄が話題になるたびに、SNSでは「初動に乗れ」「今買わないと遅い」といった声が飛び交う。そうした空気に背中を押され、焦って買ったものの、結果的に高値づかみになってしまった個人投資家も少なくないだろう。
そんな荒れた相場のなかで、あえて「すぐには買わない」姿勢を貫いているのが、専業投資家のペリカン氏だ。2026年の受取配当金は900万円に達する見込みで、資産規模も着実に拡大している。
相場の動向に振り回されず、待つべきときは待ち、動くべきときに淡々と動く。混迷を極める2026年下半期相場をどう生き抜くのか。今回は、ペリカン氏に最新の投資戦略を伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
個人投資家は「クジラ」と戦うな
ーー2026年は新テーマのニュースが相次ぎ、SNSでは「初動が命」と煽る声も目立ちます。その中で、あえて「すぐには買わない」ルールを貫く理由を教えてください。
そう焦って飛び乗ると、だいたいは失敗します。これは私の27年に及ぶ投資経験から得た教訓ですね。新しい政策やテーマが発表され、思惑だけで株価が急騰している時、市場では機関投資家たちが激しい殴り合いを演じています。
私たち個人投資家が、その主戦場にわざわざ首を突っ込む必要はありません。そもそも、ニュースが実際の企業の「決算」という数字に反映されるまでには、相当なタイムラグが生じるものです。
期待だけで膨らんだ株価はいずれ落ち着きを見せますから、お祭り騒ぎの最中はぐっと堪えて静観するのが正解だと思います。
「待てる」ことこそが、期限のない個人投資家に与えられた最大の特権。欲をかかずに最後尾からしれっと乗り、大きなクジラ(機関投資家)が動いた後の余波で利益をいただく。
こうした「コバンザメ」のような立ち回りこそが、もっとも再現性高く、なおかつ安全に資産を増やす道だと考えています。
勝つ投資家は“未来の自分”に任せる
ーーただ、静観していると好機を逃したり銘柄を忘れたりするリスクもあります。情報の早い今の相場で、どのように「買いの機動性」を担保しているのでしょうか。
おっしゃる通り、人間は非常に忘れっぽい生き物です。そこで私が活用しているのが「株価アラート」です。
今のマーケットが何に熱狂しているかを肌で感じつつ、気になる銘柄を見つけたら、まずは「ここまで下がったら迷わず買う」と思えるラインにアラートを仕掛けておきます。
そして数カ月後、世間がそのテーマを完全に忘れ去り、株価が適正水準まで落ち着いた頃に、スマートフォンが鳴るわけです。
アラートが鳴った瞬間、今の自分はおそらく「なぜこの銘柄を買いたかったのか」すら思い出せません。
ですが、アラートを設定した過去の自分は、客観的かつ冷静に数字を分析してその価格を導き出したはずです。
その過去の自分を信じ、感情を一切入れずに機械的にボタンを押す。このシステム化された行動が、衝動買いや狼狽売りを防ぎ、確実な収益へと繋がります。
いま、内需株が見直される本当の理由
ーー日銀の金利判断が注目される中、インフレ指標としてCPI(消費者物価指数)のどのような点を警戒ポイントとして見ていますか。
以前の記事でもお話ししましたが、私はCPIを「インフレの温度計」のようなものだと捉えて定点観測しています。
ただ、最近の相場環境で特に注意を払っているのは、数字そのものよりも「市場の予想とどれだけギャップがあるか」という点ですね。
機関投資家は常に利益を確定させるための口実を探しています。そのため、予想よりわずかでも悪い数字が出れば、それを材料にして一気に売りを仕掛けてくるわけです。
需給の乱れで株価が急落する場面は、業績に不安のない優良株を安く拾う絶好のチャンスになります。とくに2026年は、景気が冷え込む中で物価だけが上がるスタグフレーションのリスクも、頭の片隅に置いておくべきでしょう。
先行きが不透明な局面で私が重視しているのは、企業の「内部留保の質」です。利上げが続き「金利のある世界」が当たり前になった今、無借金経営で現金が豊富な企業の価値は、相対的に大きく跳ね上がっています。
さらに、円安を背景にした製造業の国内回帰や、インフラ再整備といった内需の再評価という大きなうねりにも注目しています。
シンガポールなどの海外から日本を眺めると、日本のインフラやサービスの「安すぎる価値」が改めて浮き彫りになりますね。
グローバルな基準で見れば明らかに過小評価されているにもかかわらず、いまだにPBR1倍割れで放置されている銘柄は、現在の市場にもまだゴロゴロと転がっています。