テスタ氏に憧れた元スロッターが、月5勝15敗から10年以上「負けない」専業トレーダーになるまで

数秒から数分で売買を完結させる「スキャルピング」で、10年以上にわたり安定した利益を積み上げてきた個人投資家・ひでで氏。大きく勝つことより、負けないことにこだわってきた。だが株を始めた2015年は、月に5勝15敗というありさまだったという。何が彼を「負けない投資家」に変えたのか。全3回の第1回
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」
「株も簡単だろう」がすべての始まり――勝ち続けてきた男の油断
ひでで氏は、もともとスロットで生計を立てていた。スロットから株に転身した人の話はよく耳にしていたが、背中を押したのは、デイトレードで巨額の利益を上げてきた個人投資家・テスタ氏の存在だ。
「テスタさんも元スロッターだと知って、スロットから億を稼ぐトレーダーになれるのかと衝撃を受けました。それで2015年、スロット仲間と一緒に、とりあえずやってみようかという軽い気持ちで始めたんです。事前に勉強したわけでもなく、売買の勝手もわからないまま、雰囲気で手を出したというのが正直なところです」
株の前にはFXにも手を出していた。当初は順調に利益を重ねていたものの、やがて大きな痛手を負い、それが株へ移る後押しになった。短い時間で売買を繰り返し、わずかな値幅を積み上げていく。FXと株のデイトレードは、その構造がよく似ている。
「スロットでもFXでも最初は比較的あっさり勝ってきたので、株も簡単だろう、多少雑にやっても勝てるだろうと高をくくっていました。今思えば、その油断がすべての始まりでした」
月5勝15敗の惨敗から抜け出せた、オフ会で得た転機
デビューした2015年は、ほぼ毎日負けた。
「月の成績でいえば、5勝15敗くらいだったと思います。しかも勝ってもほとんど1万円に届かないのに、負けるときは2万円、3万円、それ以上も当たり前でした。売買を始める位置も、損切りの位置も、全部その場の思いつき。収入もないなかで生活費と損失が同時に出ていくので、ものすごい速さでお金が減っていくのが本当に怖かったですね」
利益は小さく損失は大きい。負ける個人投資家の典型である「損大利小」だ。勝てる兆しが見えないなか、藁にもすがる思いで参加したオフ会で、のちに師匠となる投資家・Bコミ氏と出会う。対面のスクールで「板読み」を教えていると聞き、その年の年末に飛び込んだ。
板とは、どの価格にどれだけの売り注文と買い注文が出ているかを一覧にした画面のこと。現在の株価より上には売り注文が、下には買い注文が、価格ごとに株数とともに並ぶ。その増減から次の値動きを予測するのが板読みで、FXにはない、初めて向き合う情報だった。
「始めたころは、板に注文が出ても何を意味するのかわかりませんでした。それが、ここに100株の注文が出たことにも意味がある、と具体的に教えてもらえた。正解がわからないまま売買していたところに、ある程度の答えを示してもらえたのが大きかったですね」