12月は売り? バリュー株投資家が教える「年末に仕込む」テーマ
2600〜2700円で仕込んだハピネットを、3500円で売却。小型バリュー株を中心に運用する個人投資家の某哲也さんは、長期だけでなく、スイングでもうまく資金を増やしています。
長年の実践でルールが体に染みつき、いまは「雰囲気」で売買ができる。スイングで入った銘柄は当たり前のようにプラスで着地させられる某哲也さんに、そのルールを言語化してもらいました。インタビュー連載全2回の最終回。
11月が強く、12月は税金対策の売りが出る
ーー今年も早いもので、年末を意識した戦略を取る季節になりました。例年の傾向を教えてください。
今年の秋は、米国で中間選挙が控えているので、そのタイミングで上がる可能性はあると思いますし、それを期待して先に上げる展開も十分あり得ます。
ただ例年ということで考えるなら、11月が強いイメージはあります。高値を取るなら11月くらいかなと思っています。
ーー12月は税金対策の売りが出て、下がる傾向はありますか。
特に日経平均株価が上がって12月を迎えたときは、みんな含み益や利確済みの利益を持っているので、含み損の銘柄を一度整理して税金対策をする動きが強くなります。今年は年始からは上がっている年ですから、そういう動きはあると思います。
ーー権利落ち日などは気にしますか。
基本的に、権利落ちは意識しません。ただ、権利落ち日を挟んだ1週間くらいの間に買いたい株を見つけて、権利前に買うか権利落ち後に買うか選べる状況なら、基本的には落ちた後に買うほうが良いと考えています。
理由は、権利落ち日には理論上、配当分だけ株価が下がるからです。そこをフラットと考えると、配当を受け取ると税金がかかりますから、フラットなら税金分だけ損をします。だから後で買ったほうがいい。ただ、こんなものは微差で、結局は分かりません。どちらでも選べるなら落ちた後に買う、というくらいのレベルの話です。そうでなければ、気づいたときに買ってしまいます。
ハピネットだけ「意味合いが違う」
ーー前回挙げていただいた銘柄は今も持ち続けていますか。
ハピネットはもう持っていません。前回の記事が出た瞬間にかなり上がった感じでしたね。
コスモスイニシア、コラントッテ、ハピネットのうち、ハピネットだけ買った意味合いが違ったんです。コスモスイニシアとコラントッテは業績の成長期待で買っています。もともと激安レベルとも思っていませんし、長期で勝負する銘柄です。
ハピネットは、僕が普段触っているのが小型株なので、それに比べると中型で、そこそこ大きい会社です。悪くない会社ですが、業績がこれからどんどん上積みされていくかというと、それは分かりません。ただ、今現在は悪くない。その会社が安かった。だからスイング的に買った銘柄です。
ーー2000円台のときに話題に出してくれましたよね。
2600円か2700円くらいのときです。安かった理由は、本決算で出した来期予想が弱かったことです。前期にニンテンドースイッチ2が発売されたので、その反動減があるだろうという理屈でした。
会社自体は弱気予想でしたが、理由が「スイッチ2の反動減」で、投資家はそれに納得し、一度売られたと思っています。
しかし、自分としてはそこまでの反動減はないだろうと思いましたし、売られすぎている水準に見えました。だからハピネットは、長期というよりも、底値圏で入って割安圏を脱出したら売る、というつもりで買ったんです。それがうまくいきました。2600〜2700円というのはやはり安くて、すぐに3000円を超えて、僕は3500円くらいで売りました。
ーー取材日時点では3800円ですよ。めちゃくちゃいいところで売っていますね。
ここから4000円を超えるかもしれません。そう考えるともっと利幅を狙えたと思ってしまいますが、スイング目的と決めていたので早めに売ってしまいます。