「NISAで個別株」はなぜ不向き? 家計再生コンサルタントが「オルカン・S&P500」を選ぶワケ
2024年1月に始まった「新NISA制度」では、非課税期間が無期限化され、投資枠も拡大された。しかし、内容が充実したとはいえ、どのようにNISAを活用して良いのかがわからず、行動に移せていない人も少なくない。家計再生コンサルタントの横山光昭氏に、NISAの最適な活用法を聞いた。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
NISAは長期でこそ生きる制度
――NISAを活用するうえで、押さえておくべきことは何ですか。
NISAは本来、長期で持ち続けることを前提にした制度になります。必要なときまでじっくり運用し、時間を味方につけることが大切です。短期で売買を繰り返してうまく利益を出せる人もいるかもしれませんが、それを続けるのは簡単ではありません。会社勤めをしながら、値動きを常に分析して個別株で勝ち続けるというのは、現実的には難しいです。
無理な金額を積み立て、「NISA貧乏」のような状態に陥らないよう、家計に見合った適正な金額を長く続けていくこと。これがNISA活用の基本だと考えています。相場が下がって不安になったとしても、慌てて売ったり、逆に積立額を急に増やしたりせず、淡々と続けられる仕組みを作ることがNISAにおいては特に重要です。
――具体的に、どのような商品を選べば良いのですか。
私は基本的に、NISA口座には負けにくいものしか入れない、ということは伝えたいです。もちろん、100%勝てる投資というものは本来存在しません。ただ、その中でも比較的負けにくいのが、全世界株式(オールカントリー)や米国のS&P500に連動するインデックス型の投資信託です。また、ETFも選択肢として挙げられますが、ETFであれば、VTやVTIといった、世界中の投資家に長く選ばれている定番の銘柄がおすすめです。
一方、個別株やAI関連銘柄、半導体株のような値動きの大きい銘柄は、私自身も投資しますが、NISA口座ではなく課税口座(特定口座)で行うようにしています。個別株は損失が出ることもありますが、特定口座であれば利益が出た銘柄と損失が出た銘柄を損益通算できます。NISA口座では損益通算ができないため、値動きの大きい個別株には向いていません。1~2社に絞ってしっかり利益を出せる自信があるなら別ですが、そうした銘柄を見極めるのは簡単なことではないでしょう。
――基本的には個別株は自重したほうが良いと。
そうですね。成長投資枠で選んだ個別株がうまくいっていないと感じたら、無理に持ち続けずインデックス型に切り替えてしまってもよいと思います。定期的に自分の成績を見直して、自分が個別株の運用に向いていないと感じたら、素直にインデックス一本に絞る。その柔軟さも大切です。そもそも、積立投資枠でも成長投資枠でも、必ずしも両方使い切る必要はないため、無理のないプランを考えてほしいです。