「もやしばかり食べて投資」 なぜ人は投資にのめり込むのか?家計再生コンサルタントが語る投資に対する意識の変化
NISAの非課税投資枠を埋めるため、生活費まで投資に回し、日々の暮らしを切り詰める「NISA貧乏」が話題になるなど、血眼になって投資をする人がいる。投資は人生を豊かにするための活動の一つと思われているが、そのせいで豊かさを失う人が出てきている状況は笑うに笑えない。家計再生コンサルタントの横山光昭氏に投資する人の心境の変化、さらには先が読みにくい今後の相場をどのように読み切るのかなど、幅広く話を聞いた。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
「投資はやるべきもの」という空気に
――10年前と比べて、投資に対する意識はどのように変化していますか。
10年ほど前は、投資に対して「大丈夫かな」「減ってしまうかもしれない」という不安が強く、どちらかというと富裕層がやるものというイメージがありました。それが今では、「経済が成長していく以上、投資をしないと取り残される」「お金にも働いてもらうべきだ」という考え方が、当たり前のように受け入れられるようになっています。
やはり「老後の年金だけでは生活費が足りない」と言われ続けてきたことや、物価上昇によって現金の価値が目減りしていく不安、さらにはSNSなどを通じて情報が瞬時に広がるようになったことなど、いくつもの要因が重なっていると思います。
――それだけお金に対する不安感が増していると。
そうですね。「お金を増やしたい」「将来困らないように早く備えておきたい」という気持ちは、本当によくわかります。ただ、お金を増やすこと自体が目的になり、本来、生きる上で大切にしたい別の目的が見えなくなりつつあるようにも感じます。
というのも、これまで相談を受けてきた人の中には、「子どもにお金を残してあげたいから、もやしばかり食べて食費を切り詰めています」と涙ながらに話す人もいました。ただ、そこまで切り詰めなくても、実は十分に楽しみながら資産を残せるケースがほとんどです。それでも、多くの人が「お金を残すこと」に必死になっている現実があると感じます。
その一方で、介護の現場で働く人で、「80歳前後になってお金を持っていても、身体が動かず使えない高齢者をたくさん見てきた」「元気なうちにある程度使いながら生きたい」という考え方を徐々に変えて、お金の貯め方・増やし方を見つめ直す人もいました。将来に不安を持ち、投資に関心を持つことはいいですが、「なぜお金を増やしたいのか?」「どれくらい増やしたいのか?」などを考えることが大切です。