5キロ4200円…頼む高市総理、コメ価格を下げてくれ!「金持ち米」と「ビンボー米」二極化へ「壊れていく日本の国民食」

コメ価格が再び高騰している。政府の備蓄米放出によって一時は3500円程度(5キロ)まで下がっていたが、足元は4200円を超える水準にまで戻っている。石破茂首相は増産すると表明したものの、あらゆる物価の上昇が直撃する国民生活には大打撃だ。経済アナリストの佐藤健太氏は「高市早苗政権が発足すれば、石破政権下の農業政策がどうなるのか分からない。1つ言えることは、今後は高価なブランド米と、それ以外の安価なコメという二極化が進むということだろう」と見る。一体どういうことなのか。高市新総理は日本人のコメ食べるを守ることはできるのか。佐藤氏が詳しく解説する――。
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「生産量の増加→価格下落」につながるかは見通せない
農林水産省が10月3日に発表したコメ5キロあたりの平均価格によれば、9月22~28日に販売された価格は前週より35円安い4211円だった。2週続けて下落してはいるが、4週連続で4000円を上回っている。小泉進次郎農水相は2025年産米の生産量が前年より56万トン増加するとした上で「引き続き注視していく」と警戒心を隠さない。それもそのはず、新米を含めた銘柄米は31円高い4408円となっており、決して油断できる状況にあるとは言えないからだ。
9月30日に農水省が発表した2025年産米(8月末時点)の農産物検査の結果を見てみよう。評価が高い1等米の比率(全国平均)は66.5%となっている。直近5年間の平均は70%程度となっており、猛暑や高温障害などの影響から高いとは言えない状況だ。これが何を意味するかと言えば、1等米が出回る量が減れば店頭価格に反映されることになる。もちろん、他の生産地からの収穫によって比率が上昇する余地はあるものの、価格が落ち着くと断言できるだけの条件はそろってはいない。
言うまでもなく、新米が出回り始めれば流通量の増加に伴い価格は下がっていくことになる。しかし、昨年秋以降から続いてきたコメ不足や価格高騰の影響により、業者間の集荷競争も激しさを増している。JAは農家に仮払いする「概算金」を引き上げており、農水省が説明する「生産量の増加→価格下落」につながるかは見通せない。
今年、農水省は初めて年間取扱数量が多いJAなどに対して概算金の調査を実施している。