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「立憲は公明の養分になれ」…中道の逆襲、早くも軋み「『原発反対』の思いで集めた立憲票も『再稼働容認』公明のバッジに」ジャパンファンドにも死角

(c) AdobeStock

 衆議院選挙だ。どれくらいの票がとれるのかなかなか見えてこない中道改革連合だが、早くも軋みが生じているようだ。立憲民主党系の議員は本当に原発再稼働を容認するのか。肝煎り政策のジャパンファンドに死角はないのか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

中道改革の比例名簿「主従の生態系」

『ファインディング・ニモ』という映画をご存知だろうか。鮮やかなオレンジ色をしたニモ(クマノミ)を巡る美しい物語だ。

 だが、生物学的な現実は、もう少しシビアで、ある意味では残酷な側面を含んでいることをご存知だろうか。

 イソギンチャクは、自ら動き回って獲物を捕らえることができない。岩場に固着し、ただ水流に身を任せるだけの存在だ。そこで、自由に海を泳ぎ回るクマノミが重要な役割を果たすことになる。クマノミは外から餌を運んでくるだけではない。彼らが食べた後の「食べ残し」や、さらには彼らが排出する「排泄物」が、イソギンチャクにとっては貴重な栄養源となる。

 動けないイソギンチャクは、クマノミが落としてくれる残りカスや排泄物を摂取することで、ようやく命をつなぐことができる。クマノミが主であり、イソギンチャクは従。あるいは、クマノミが家主で、イソギンチャクはその廃棄処理係と言ってもいいかもしれない。美しい共生に見えるその裏側には、排泄物さえも糧にしなければ生きられない、哀れな依存関係が隠されている。

 先日発表された【中道改革連合】の比例名簿を見たとき、私の脳裏に浮かんだのは、まさにこの「主従の生態系」だった。

立憲系は選挙区だけが勝負

 そこには、完璧な計算に基づいた「設計図」が描かれていた。名簿の上位にずらりと並んだ公明党出身の24人の名前。それは単なる候補者リストではない。前回2024年の選挙で、公明党が獲得した議席数と全く同じ数字を、あらかじめ当選圏内として固定してしまう、鉄壁の名簿順位だった。

 選挙とは本来、蓋を開けるまでわからない水物であるはずだ。だが、この名簿は「何があってもこの24席だけは絶対に死守する」という、未来を先取りした確定事項のように見える。公明党からすれば、前回の選挙で小選挙区から当選した4人は、自民党に対抗馬を建てられて落選することが確定的だったはずだ。

 つまり、4議席はなくなる前提だったわけで、中道という政党によって増えた議席となる。逆に立憲系は必死で小選挙区を戦わなければ誰一人当選できない。

哀れな現実が浮かび上がる

 哀れな現実が浮かび上がる。

 今回の衆院選で生まれた「中道改革連合」という枠組みにおいて、かつての立憲民主党は、クマノミの排泄物を待つしかないイソギンチャクになり下がったのではないか、という疑念だ。そして公明党は、その中を悠々と泳ぎ回り、確実に実利を得る賢いクマノミである。

 公明党は、20年以上もの長きにわたり、第1次、第2次安倍政権、そして菅政権を含めた自民党という巨大な政党とタッグを組み、日本の舵取りを担ってきた。その経験値は伊達ではない。彼らは常に「現実的な落とし所」を探り、実務としての政治を前に進めてきた。理想を叫ぶだけでなく、泥にまみれて調整を行い、政策を実現させる能力を持っている。その政策の多くは、極めてまともであり、地に足がついている。

 今回の「中道改革連合」の政策大綱を見れば、その影響力は一目瞭然だ。

 驚くべきことに、中道改革連合は、原発再稼働に賛成し、安全保障関連法制を容認し、さらには辺野古移設までも賛成という立場を明確に打ち出している。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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