日経平均6万円が見えてきた!次期FRB議長が高市政権の決定的な追い風となる理由

2月8日投開票の衆院選で高市早苗首相が率いる自民党が圧勝した。自民党は単独で総定数(465)の3分の2以上となる議席を確保し、連立政権を組む日本維新の会と合わせて352議席という圧倒的な勢力を確保した。はたして、歴史的大勝の先にあるのはどのような未来なのか。話題のサスペンス小説『奪われる~スパイ天国・日本の敗戦~』(みんかぶマガジンノベルス)を著した作家の伊藤慶氏は「政権基盤が安定し、日本は新たな次元に入る。今後のポイントは『日米関係』と『長期金利の動向』だ」と指摘する。気になる為替変動や金利動向、そして消費税減税の行方を伊藤氏が解説する。
目次
日経平均6万円も視野か…「責任ある積極財政」への期待値
衆院で戦後初めて1つの政党だけで3分の2以上の議席を獲得した。投開票日は悪天候に見舞われた地域もあるが、それでも戦後3番目に低かった前回(2024年)の総選挙を上回り、有権者がしっかりと答えを出した形だ。まさしく「国民の声」だろう。
高市首相(自民党総裁)は就任から3カ月で、国民の関心が強い物価高対策を中心に迅速な施策を講じてきた。電気・ガス代の支援(約7300円補助)や子供1人あたり2万円の支給、ガソリン税の暫定税率廃止、いわゆる「年収の壁」見直しに伴う所得税減税、重点地方交付金の拡充などは、物価上昇に苦しむ国民の心にも響いたと言える。
マーケットも好感している。開票日翌日2月9日の東京株式市場では日経平均株価が急騰し、初の5万7000台をつけた。高市首相が掲げる「責任ある積極財政」により、財政拡張路線が一層強まるとの見方が広がったと言える。政権の安定が市場の期待感の増幅に繋がるのは当然である。今回の総選挙実施によって、来年度予算の年度内成立が困難視されていたものの、圧倒的な「民意」を背景に衆院での可決は2月末となり、3月末に参院で可決・成立する可能性すらある。よほどの悪材料がない限り、さらに株価も高みをうかがっていくのではないか。
止まらない物価高。高市政権が描く「実質賃金プラス」への転換シナリオ
さて、国内外の市場関係者のみならず、国民も注視している点に触れていきたい。その1つは「為替」の動向だろう。ドル円相場は2月9日早朝に1ドル=157円後半に上昇した。三村淳財務官は「市場を高い緊張感をもって注視するのみだ」と語っているが、短期的に見れば懸念点は残るとしても、筆者はそれほど心配する必要はないと感じている。
その理由は、衆院で352議席という巨大与党に支えられる高市政権は今後、「とにかく減税」「さらなるバラマキ」を訴えるだろう野党のポピュリズム的な主張に惑わされることなく、粛々と「責任ある積極財政」を推進していくことができるからだ。放漫財政に向かうと懸念する声もあるが、首相が説明する債務残高のGDP比は2020年が頂点であり、財政リスクを細かく見れば現時点でそれほど心配する必要はないと言える。短期には円に下押し圧力が向かうものの、中長期で見ればプラスとなるはずだ。
足元の物価上昇は円安進行が要因の1つにあげられる。厚生労働省が2月9日発表した2025年の毎月勤労統計調査によれば、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年から1.3%減となり、4年連続マイナスになった。言うまでもなく、物価上昇に賃上げが追い付いていないことが背景にある。だが、これから明らかになる今年の春闘では大企業だけでなく、中小企業も含めて高水準の賃上げが実施される可能性は高いと筆者は見ている。長らく大企業ばかりの時代が続いてきたが、いよいよ全体の9割超を占める中小企業にも賃上げの波が波及することになるだろう。その結果、インフレ退治に欠かせない実質賃金も徐々に上向いていくはずだ。
次期FRB議長は「最もまともな人間」。1ドル160円の攻防
ドル円相場は一時的に1ドル=160円に向かうとの見方は少なくない。筆者はその可能性を否定するものではないが、160円台でしばらく推移するとの見方には賛同しかねる。その理由は、米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長にケビン・ウォーシュ元理事が指名されたからだ。これは高市政権にとっては「追い風」になると映る。