第2回 ポートフォリオについて語りつくす。
この連載は、ヘナチョコ投資家だった豆原里芽が、これから本格的に投資を始める読者のためにあれこれ調べて考える投資エッセイである。
【この記事で言いたいこと】
- ポートフォリオは投資の状況を把握できるプロも使っている資産の一覧表のこと。
- 実際に投資をする前に、自分のポートフォリオを決めてみよう。
ポートフォリオの意味を調べてみた
「ポートフォリオ」という言葉は、もともと「書類入れ」っていう名前のカバンまたはそのカバンに入っている書類のことらしい!
―――クリエイターやライターの実績を表す作品なんかもポートフォリオって言うし、教育関係でも活動内容をまとめたものをポートフォリオって言うんだって。
投資の世界では、金融商品をどのくらいの比率で持ってるかを把握するための一覧表、みたいな意味で使ってるよ。
中身は、自分が持ってる「資産」をなんでも入れていいそうで、例えば
預金 | 株 | 不動産 |
貴金属 | 宝石 | 絵画 |
などが一般的かな。
ポートフォリオの中身をあれこれ考えることを「アセットアロケーション」と言うよ。
―――資産(アセット)を配分(アロケーション)するか。なんかカッコイイ。
投資のリターン(利回り)を最大にしようと、いろんな人がいろいろなアセットアロケーションを考えてる。
アセットアロケーションは、相関性が低い各種資産(アセットクラス)を組み合わせると変動のリスクが抑えられると言われている。
―――って言われても、相関性って難しいよ。理想的にはね、市場の動向や投資先の業界の今後の成長率、投資したい企業の利益率とかが載ってる決算書を検討して、投資先が相互にリスクを補えるようなバランスをみて組み入れるんだって!! ムリ!! 何言ってるの?っていうレベルでよく分からないし合ってる自信もないし。
理論を勉強しても実践には役に立ちそうにない……と感じたわたしは「何か、お手本になるポートフォリオはないか」と探した。
【ここまでの要約】
- ポートフォリオとは、金融資産の一覧表。
- お手本になるポートフォリオを探してみよう。
黄金比率は年金運用にあり?
日本国民がほぼ全員資金を投入している投資があった。それは年金の運用!
―――わたしたちの年金は、金融商品で運用されているんですって!
GPIF、年金積立金管理運用独立行政法人。
公式HPを見たらね、すっごく分かりやすい長期運用の考え方が説明されていた。
―――読むだけでも勉強になるわ、これは。
日本国民のお金を運用してるんだもんね。すごく丁寧。
「GPIFによる年金積立金の運用は、株式や債券などの資産を長期にわたって持ち続ける『長期運用』によって、安定的な収益を得ることを目指しています。」
GPIFホームページ「長期的な観点からの運用」より
気になる運用実績は、GPIFの運用資産だけでみると2001年度からの20年間の運用実績が3.61%。
年間で利回りがマイナスになった年は20年のうち、7年。年金積立金全体を合わせた実質的な運用利回りは20年間で3.78%だって。
―――20年でみると、いい成績じゃない!? でも、マイナスの年ってすごく悲しい気持ちになるよ。1年かけて資産をマイナスにしちゃうんだもん。でも、1年よりもっと長い目で資産の運用を考えなきゃいけないんだなあ。
目標は「実質的運用利回り1.7%」だから、2021年度までは目標を上回る運用ができてるってことだよね。
2020年4月からのGPIFの基本ポートフォリオはこんな感じらしい。
国内債券 25% | 外国債券 25% |
国内株式 25% | 外国株式 25% |
この割合から乖離してもいい割合は±6~11%。
2006~2009年の基本ポートフォリオは、国内株式が11%、国内債券が67%を占めていたから、世界経済の動向を見て、見直しをしながら運用していることが分かる。
―――GPIFがここ数年で株式の保有割合を増やしてるってことは、わたしが株式に投資するタイミングとしてもいいんじゃない!?
投資信託はいろいろありすぎて迷ってしまう
もう一つ、プロがポートフォリオを組んで運用している投資信託を調べたのだけど、すっごく種類が多くて挫折した。
でもね、面白いことに気がついた。
人気ランキングの上位の商品は、バランスよくポートフォリオを組んでるものではなくて、株式中心の投資信託だったの。