50万円を1億円にした投資家が「北米依存の銘柄は注意」と警鐘を鳴らすワケ

本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ自動車(7203)、ソニーグループ(6758)、パナソニックホールディングス(6752)、やまびこ(6250)、TOYOTIRE(5105)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)、三井物産(8031)
日経平均は米国の関税政策や為替変動で不安定ながら、企業利益は過去最高を更新中だ。テクノロジー・AIや金融セクターで割安銘柄が目立つが、不透明感から買い場の判断が難しいと感じる人も多いかもしれない。
とはいえ、複雑な経済状況を見極めつつ、賢く投資するにはどうすればよいのか。
今回は、名古屋の長期投資家こと「なごちょう」氏(X:@Nagoya_Tyouki)に注目すべき日本株の決算予想などについて話を伺った。
なごちょう氏インタビュー第1回ーー。
(2025年4月21日取材)
目次
トヨタ自動車の決算次第で市場全体の動向が決まる
ーーなごちょうさんが思う、注目すべき日本株の決算予想についてお聞かせください。
まず、私が特に注目しているのはトヨタ自動車(7203)です。自動車業界においてはもちろんのこと、日本を代表する企業としても非常に大きな影響力を持つ存在です。
そのため、同社の業績や将来の見通しは、投資家にとって重要な判断材料となります。トヨタは世界規模の生産体制と強力なブランド力を背景に、短期的な外部要因に対して強い耐性を持っています。ですが、米国市場の動向も無視はできません。
ーーその理由とは?
北米はトヨタの主要な市場であり、売上高の約30%を占めています。仮に関税が引き上げられた場合、コストの上昇や価格競争力の低下が懸念されます。
現時点では、2025年3月期の決算に大きな影響は見られません。トヨタは強固な財務基盤と効率的なサプライチェーンを有していて、短期的な変動に対する耐性が備わっています。
一方で、2025年4月以降、特に2026年3月期の業績見通しには注目が集まります。例えば、トランプ政権による関税政策や為替の変動がどの程度影響を及ぼすのか、トヨタがどのような見通しを公表するのかが重要なポイントとなります。
同様に、ソニーグループ(6758)やパナソニックホールディングス(6752)といった他のグローバル企業も、関税の影響を踏まえた業績予想を発表するか、あるいは不透明感から予想を保留する可能性があります。このような動向は、市場全体の方向性に影響を与えるでしょう。