「暴落はチャンスだ!」50万円を1億円にした凄腕投資家がチャンスと見る「4つの投資戦略」

本稿で紹介している個別銘柄:三菱商事(8058)、住友商事(8053)、TREホールディングス(9247)、五洋建設(1893)
日経平均は米国の関税政策や為替変動で不安定ながら、企業利益は過去最高を更新中だ。テクノロジー・AIや金融セクターで割安銘柄が目立つが、不透明感から買い場の判断が難しいと感じる人も多いかもしれない。
とはいえ、複雑な経済状況を見極めつつ、賢く投資するにはどうすればよいのか。
今回は、名古屋の長期投資家こと「なごちょう」氏(X:@Nagoya_Tyouki)に相場の転換点を示すシグナルや、2025年後半に向けた投資シナリオについて話を伺った。インタビュー第2回ーー。
(2025年4月21日取材)
目次
予測難しい相場の転換点、暴落時に買い増す
ーーなごちょうさんは、現在の相場の転換シグナルはどこになると思いますか?
相場の転換点を正確に予測するのは難しいですが、トランプ大統領の関税方針の変更や為替政策に関する発言は、市場を動かす明確なきっかけになり得ます。例えば、25%の関税が発動されれば、輸出企業、特に自動車や機械メーカーの株価は一時的に下落するかもしれません。
ただ、こうした外部要因は不確実性が高く、市場が短期間で横ばいや緩やかに下落するシナリオも十分考えられます。私は転換点を当てることにこだわるより、企業の本質的な価値に注目する投資を重視しています。
具体的には、フルポジションを維持しつつ、暴落時に割安な銘柄を買い増す戦略です。市場が下がるとバリュエーションが低下し、優良銘柄を安く拾えるチャンスが増えます。一方、市場が高騰するとバリュエーションが上がるので、銘柄選びに慎重さが求められます。
実際に、2025年4月7日の市場下落では、日経平均が約5%下落し、トヨタ(7203)の株価も5.9%安(※)となりました。このタイミングで、私は飯野海運(9119)を買い戻しました。
※2656円から2470円に
ーー飯野海運を買い戻した理由とは?
飯野海運を選んだのは、ケミカルタンカーの運賃が安定しており、不動産事業が収益をしっかり支えているからです(※)。
※売上比率:海運60%、不動産30%
2024年度の純利益は前年比10%増の150億円を達成し、PBR 0.8倍、PER 7.0倍、配当利回り 2.5%と割安感が際立ちます。景気変動に強い事業構造が、ディフェンシブ銘柄として評価できる点です。
市場の動きに柔軟に、企業の本質を見極める
ーーそのほか、なごちょうさんの現在のポートフォリオはどのような構成になっていますか?