たくさんある「オルカン」、これを選べばOK!初心者でも迷わない長期投資に向いている4つの主要商品

鳥海翔
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 長期の資産形成を始めようとしたとき、最初に多くの人がつまずくのが「どの商品を買えばいいのか」という疑問だ。特に全世界株式(オルカン)は人気が高く、ネット証券のランキングでも常に上位に並びますが、いざ買おうとすると、似たような名前の商品が数多くあり、投資初心者ほど戸惑いやすい領域でもある。そこでファイナンシャルプランナーの鳥海翔氏が、全世界株式の種類と選び方を整理しながら、迷わず投資をスタートするための実務的ポイントを紹介する。全3回中の2回目。

※本稿は鳥海翔著『マンガでわかる 「だまされない」お金の増やし方 思考停止でも月10万円受け取り続ける投資術』(KADOKAWA) から抜粋、加筆修正したものです。

第1回:老後資金作りに「株式投資は危険」は誤解……インデックス投資が資産形成の王道である理由

第3回:投資が不安な初心者こそ知ってほしい、長期資産形成の基本「インデックスファンド」という第一歩

目次

初心者が迷う理由は「商品数の多さ」

 全世界株式を始める際に最初に向き合う壁は、商品の多さです。私のもとにも「買おうと思ったら想像以上に種類が多く、選びきれなかった」という声が数多く届きます。実際に検索してみると、商品名に「全世界株式」と書かれていても、前後に「オール・カントリー」「除く日本」といった表記が足されており、違いが分かりにくいのが実情なのです。

 そもそも、全世界株式とひと口に言っても、連動している指数が異なる場合があります。代表的なのは「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の2種類です。

 ACWIは47カ国の大型・中型株のみを組み入れるのに対し、FTSEは49カ国を対象とし、小型株まで含みます。分散の度合いでいえばFTSEがやや広いものの、長期のリターンはほぼ同等とされ、どちらを選んでも基本的には問題ありません。

 商品を比較するときに欠かせないのが信託報酬です。信託報酬は運用期間中、ずっと差し引かれるコストであり、長期投資においては特に影響が大きくなります。全世界株式では、運用効率を高める上で、年0.1〜0.2%程度の低コスト商品を選ぶことが重要とされています。

「純資産額が100億円以上」がポイント

 また、純資産額を確認することも重要です。具体的に言うと、100億円以上であれば、資金流入が十分にあり、長期の安定運用が期待しやすいといえます。これらの情報は証券会社のサイトで確認できます。

 戸惑いやすいポイントの一つに「除く日本」という商品名があります。全世界株式を名乗りながら日本だけ外しているため、初見では違和感を覚える人も多いでしょう。これは、日本株の比率を高めたい投資家向けの商品設計によるものです。

 例えば、日本株を30%にしたい場合、全世界株式を購入すると、すでに3〜6%の日本株が含まれているため、別途日経平均連動商品を追加すると割合がずれてしまいます。こうした場面で「除く日本」を使えば、自分が狙った日本株比率に調整できます。

 ただし、あくまで上級者向けの投資設計のため、投資初心者は気にせず全世界株式を選ぶのが無難でしょう。

長期投資に適した全世界株式の主要商品

 では具体的に、どの商品を選べば良いのでしょうか。私は実務的な選択肢として、以下の4商品をおすすめしています。いずれも低コストで、純資産額も十分にあり、長期積立との親和性が高いという特徴があります。

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)
・SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・VT)

 全世界株式に関しては、細かな違いを深追いしすぎず、低コストかつ純資産額が十分にある商品を選び、淡々と積み立てることが最も合理的です。投資初心者ほど「細部よりも大枠」を優先することで、迷いが減って長期継続しやすくなります。

 運用成果を高める上で最も重要なのは、すぐに始めることです。どれだけ情報を集めても、積立を開始しなければ複利は働きません。最初は100円、1000円などの少額からで構いません。

 小さく始めて数ヶ月続けるだけでも、値動きへの慣れや積立の仕組みが体感として理解できるようになります。特に長期積立では、始める時期が早いほど大きな差につながります。

 とはいえ投資を始めたばかりの頃は、基準価額の上下に気持ちが揺れ動くかもしれません。しかし、日々の値動きに反応しすぎる必要はありません。全世界株式は世界中の企業に分散投資する仕組みであり、短期の上下に一喜一憂しないことこそが成果に結びつきます。大切なのは「長期・積立・分散」の姿勢を崩さないことです。

 最後に改めて、全世界株式は最も扱いやすい投資信託の一つです。世界経済の成長を捉えながら、低コストで安定した分散効果を持ち、積立投資との相性も良いという特徴があります。

 どの商品を買えばよいか迷ったときこそ、まずは信託報酬が低く、純資産額が十分な商品を一つ選び、毎月の積立を淡々と続けてみてください。小さな一歩を踏み出すことこそが、将来の安心につながる着実な方法なのです。

鳥海翔著『マンガでわかる 「だまされない」お金の増やし方 思考停止でも月10万円受け取り続ける投資術』(KADOKAWA)

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この記事の著者
鳥海翔

ファイナンシャルプランナー。慶應商学部卒業後、三井住友海上を経て2016年に株式会社Challengerを設立。金融リテラシーの普及を目指し「Private Bank College」を開設。YouTube「鳥海翔の騙されない金融学」は登録者約40万人(2026年2月時点)。東証ETF解説動画コンテスト優勝。ミドルシニアの資産形成を支援し、初の著書『だまされないお金の増やし方』(KADOKAWA)を刊行。

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