三谷三四郎が『正直広めたくない』と唸った「ぐんぴぃ」と「坂井風太」による伝説のラジオとは…100万人登録者が抱える苦悩から『街録ch』の採用基準まで
地上波からNetflix、さらにはAbema、U-NEXTまで――。コンテンツが乱立する今、人を真に熱狂させるのは「面白い」の先にある「ヤバい」番組だ。1000人以上の剥き出しの人生を記録し続けてきた『街録ch』ディレクター・三谷三四郎が、エッジの効いた一作を独自のバイアスで読み解く。
連載「今、ヤバい番組」第7回は、お笑い界のタブーに触れてしまったあの2人のラジオについて。
目次
三谷三四郎、崩壊の危機
今回は『LAUGH & BIZ 笑える理不尽ビジネス論』(お笑いラジオGERAにて配信)。この番組のヤバさを話す前に、今この原稿は、伝えられていた締め切りをとうに過ぎ、「マジでここが完全なデッドです!」と宣告された時間のわずか1時間前に書き始めている……。
本来、自分は割と締め切りは守る方で、その証拠に6年間、『街録ch』の配信を平均週5ペースで穴を開けることなく行なってきた。

そんな中、ここ3週間ずっと体調が悪い。寝不足、甲殻類アレルギーによる声枯れ、そこから派生した謎の風邪、さらに妻を中心に自分の会社で新しい仕事を立ち上げたことで起きた人生初の知恵熱などなど……。
人生で経験したことのないあらゆる角度のストレスに押しつぶされそうになり、我慢の糸がプツンと3回ほど切れて、声枯れしている状態で発狂してしまったこともあった。幸い、カスカスの声での発狂だったため、過激な言葉がだいぶマイルドに変換され、相手をそこまで威圧せずに済んだのではないかと思う。
ちなみに昨日、一昨日は、自分の家族と友人家族とキャンプに行っていた。
「おい、そんな遊んでる暇あれば原稿書けよ!」と言われそうだが、キャンプの合間にも立ち上げた新チャンネルの切り抜きやサムネをつくったり、動画チェックなどをしたりしているため、100%遊びに専念できたわけではない。
全13回、記憶に残る名ラジオ
そもそもこの連載、編集担当さんにしか褒めてもらえたことがなく、なんの反響もない。反響がないからといって締め切りに遅れていい理由にはならないのだが、いつか、誰も知らない人から反響をもらえるくらいまで頑張って続けようと思っている。
とりあえず、昨日キャンプから帰ってから書こうと思ったが、子供たちと1日中遊んだことでHPはゼロ。早々に諦め、7時間睡眠をとって、ランニングしながら今回のテーマである『LAUGH & BIZ 笑える理不尽ビジネス論』を聞き直した!
とりあえず、睡眠とランニングと土日のキャンプのおかげで、2026年度になってから今が一番元気だ。元気すぎて、ここまで打ち込むのに10分とかかっていない。
この勢いを借りて、本題に行ってみようと思う。
この『LAUGH & BIZ 笑える理不尽ビジネス論』は、バキバキ童貞ことお笑いコンビ・春とヒコーキのぐんぴぃさんと、PIVOT、NewsPicks、ReHacQなどのビジネス系メディアに登場し、各チャンネルで高再生数を叩き出しまくっている組織構築のプロ・坂井風太さんの異色のタッグによるラジオ。
このラジオが配信されていたのは、2024年の年末から2025年の春先にかけての全13回。それを僕が知ったのは今年の2月27日。きっかけは坂井風太さんのXにあった1つのポストだった。
2人が生み出す「今までになかったコンテンツ」
「初めて書籍が出る話」
というタイトルでXに長文を投稿していた。その中にある、今回書籍を出そうと思った理由の1番目に「生きていて『クソが‼』と思うことが多いから」と書かれていた。
これ以前から、坂井さんの活躍はいち視聴者として見ていて、最年少上場した株式会社yutoriのゆとりくんとの対談動画や、「なぜ組織が腐敗するのか?」という趣旨の動画も見ていた。ビジネス系動画には珍しい熱量と情熱、そしてなんとも言えないエモさに良い意味での違和感を抱いてはいたものの、『街録ch』とは無縁の人なんだろうなと勝手に思っていた。
そんな中、この「生きていて『クソが‼!』と思うことが多いから」という言葉が目に飛び込んできた瞬間、即DMで出演のオファーをしてしまった。しかも、その一発目の書籍が単著ではなく共著で、その相手がバキバキ童貞としてYouTubeチャンネル登録200万人を誇るぐんぴぃさんというのにも度肝を抜かれた。
自分の常識の範囲外で何かおかしなことが起きていると思い色々調べてみると、この本は昨年まで配信されていたラジオ特番をまとめたものなのだと知り、GERAのアプリをダウンロードして全13回すべて聞いたのだが、抜群に面白い。
教養、笑い、葛藤、挫折、そしてそれらを受容しながら生きていく悲哀と希望があり、組織や業界で起こりがちな人間関係のエラーを坂井さんが心理学の観点から解説し、それをぐんぴぃさんがお笑い界に当てはめながら理解していくという、今までになかったコンテンツ。
ヒヤヒヤするくらいタブーがない
中でも痺れたのが第5回目の「裸の王様と特権階級」――。