IR(独自企業分析)

「チョコレート・クリスマス・バレンタインテーマ」不二家

今回は、「チョコレート」「クリスマス」「バレンタインデー」などの株テーマに関連する、株式会社不二家(2211)です。

Key Points:

  • 「不二家」というブランドそのものが強み!
  • 2022年12月期は「減収増益」だが、実質の売上高は8%増。また営業利益4.5%増、経常利益.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益6.4%増。
  • 株主還元においては、年間配当30円配当を実施!また2023年12月期も同様に30円を想定。

目次

Identity

 不二家の創業は1910年11月16日。100年を超える長い歴史は、「常により良い商品と最善のサービスを通じて、お客様ご家族に、おいしさ、楽しさ、満足を提供する」という経営理念に集約されています。誕生日や七五三、クリスマスでのケーキ、家族や友人と過ごすティータイム、子供のおやつなど、様々なイベントにおいて不二家の商品は人々の暮らしを彩り、長年にわたり愛され続けています。

 同社は、2008年11月に山崎製パンの連結子会社となっており、子会社9社および関連会社2社でグループを形成し、菓子の製造販売ならびに、洋菓子類の製造販売および喫茶、飲食店の経営を事業展開しています。

 同社の強みは、「不二家」というブランドそのもの。1961年(昭和36年)に誕生した不二家のファミリーマークは有名です。これは、「FUJIYA」のFであるとともに、「Familiar(親しみやすい)」、「Flower(花のような)」、「Fantasy(夢)」、「Fresh(新鮮なアイデアに満ちた)」、「Fancy(高級な品質)」という5つの意味も表現した幸せのイニシャルです。

Performance:全体業績

2022年12月期決算の概要

P/L

2022年12月期は「減収増益」だが、実質の売上高は12.8%増。また営業利益4.5%増、経常利益6.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益6.4%増。

 2022年12月期におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響や、原材料価格、エネルギー価格の上昇等もあり厳しい状況で推移しました。こうした状況下にあって同社グループは、お客様に、より良い商品と最善のサービスを提供できるよう、従業員の健康管理をはかりつつ、売上と利益の確保に努めました。こうした結果、売上高は1,006億14百万円となり、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は112.8%となっています。

 利益面においては、特に第3四半期に入り、予想を上回る原材料やエネルギー価格の上昇がありましたが、生産性向上をはかったことなどにより、営業利益は43億34百万円(対前年同期比104.5%)、経常利益は55億45百万円(対前年同期比106.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億76百万円(対前年同期比106.4%)と前期実績を上回り、「増益」となっています。

 なお、前期末まで持分法適用関連会社としていた日本食材株式会社は、期首より連結子会社としています。

B/S

自己資本比率は2.9ポイントDOWNし65.6%へと推移。また、ROEは6.3% と変化無し。

 B/Sでは、流動資産は370億99百万円で、前年同期並みとなりました。固定資産は466億13百万円で、主に有形固定資産の増加により80億3百万円増加しました。この結果、総資産は837億12百万円で79億92百万円増加しました。また、流動負債は210億59百万円で、主に支払手形及び買掛金やその他に含まれる設備支払手形の増により31億43百万円増加しています。固定負債は34億88百万円で、前年同期並みとなりました。この結果、負債合計は245億47百万円で31億83百万円増加しました。

 また純資産は591億65百万円で、主に利益剰余金や非支配株主持分の増により48億9百万円増加しています。この結果、自己資本比率は65.6%(前年同期は68.5%)となり、1株当たり純資産は2,130円59銭となりました。ROEについては、前期同様の6.3%で推移しています。

C/F

フリーキャッシュフローは▲27億9千1百万円へとマイナス推移。

 フリーキャッシュフローは前期比マイナスで推移しています。また、現金及び現金同等物期末残高も同様にマイナス推移しており、対前年同期から42億2千万円減少し、101億4千4百万円でした。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、49億48百万円(対前年同期は74億78百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、▲77億39百万円(対前年同期は▲46億53百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、▲15億49百万円(対前年同期は▲12億85百万円)となりました。これは主に配当金の支払やリース債務の返済等によるものです。

株主還元

前年同様に30円配当を実施!また2023年12月期も年間配当30円を想定。

 株主還元においては、前期同様に30円の期末配当を実施。また2023年12月期においても同様の想定です。

Performance:セグメント別業績

 同社グループのセグメントの概況は次のとおりです。

<洋菓子事業>

 単体の洋菓子においては、原材料やエネルギー価格の上昇に対しては、産地限定の果物を使用するなど付加価値を高めた新製品の発売や既存製品の価格の見直しを行い、また、製品ロスの低減をはかるなどコスト管理を強化し、収益性の改善に努めました。現在、不二家洋菓子店の営業店舗数は、954店(対前年同期比較では22店減)となっており、単体の洋菓子の売上は、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前期比101.8%でした。この結果、洋菓子事業における洋菓子の売上高は251億89百万円となりました。なお、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前期比は100.0%となっております。

 レストラン事業については、好調なケーキ類の拡販やメニュー強化、さらに美化改装に取り組み、新型コロナウイルス感染症の影響で減少していた客足の回復もあり、売上高は前期の実績を上回る48億18百万円でした。 以上の結果、洋菓子事業全体の売上高は300億7百万円となり、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は102.3%です。利益面では、コスト管理の強化等により営業利益の改善を進めることができました。

<製菓事業>

 単体の菓子においては、原材料やエネルギー価格の上昇への対策としては、生産能力増強や省人化、太陽光発電設備の増設等さらなる生産性向上に取り組むとともに、内容量や価格の見直しも行っています。こうした結果、単体の菓子の売上は、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比107.5%でした。また、製菓事業における菓子の売上高は、中国子会社の不振があったものの、新規連結の日本食材の実績を含め627億13百万円となり、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は119.0%となっています。 飲料については新製品を発売し、売上高は46億98百万円でした。

 以上の結果、製菓事業全体の売上高は674億12百万円となり、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は117.3%となっています。利益面では単体菓子の好調な売上のもと生産性が向上し、増益とすることができました。

<その他>

 キャラクターグッズ販売、ライセンス事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務の売上高は、31億94百万円となりました。

2023年12月期の見通し

 主原料である小麦粉や油脂類、包材など原材料価格やエネルギー価格の上昇等により、当社グループを取り巻く経済環境は厳しい状況になると予測されます。このような状況にあって同社グループは、洋菓子、製菓の両事業を併せ持つという強みを活かした売上と利益の確保に努める方針で臨んでいます。また各事業別の対処すべき課題は次のとおりです。

<洋菓子事業>

 洋菓子では、チェーン店において高品質・高付加価値製品の品揃えの充実をはかり、お客様目線に立った新製品の開発や売場作りを行うとともに、百貨店の催事出店やSNSなど多方面で販売促進活動を展開して売上確保に努めます。また、データ分析に基づき製品ロスの低減や人件費の管理を行うなど収益性向上を目指します。

 広域流通企業との取り組みについては、マカロンなど当社の技術力を活かした製品や売上の主力である生ケーキの生産ラインを有効に活用できる製品の提案を促進し、生産性向上につなげ、原材料やエネルギー価格の上昇に対応することを考えています。レストランでは、店舗美化改装を促進、好調なケーキ類の拡販やメニュー強化に取り組むとともに、モバイルオーダーも導入することで客単価増と効率化をはかり、収益性を高めます。

<製菓事業>

 菓子では、「チョコまみれ」、「チョコだらけ」といった『まみれワールド』製品のさらなる拡販に取り組み、新設した生産ラインの稼働を促進させて一層の生産性向上に努めます。また、製品の外装、個包装、段ボール等のサイズや厚みを見直し、包材使用量の削減をはかり、地球環境問題へ取り組むと同時に、原材料費や物流費の削減につなげ、収益性を高める所存です。2023年は「ホームパイ」発売55周年に当たり、これをテーマにしたキャンペーンも実施予定です。

 海外事業では、中国経済停滞の影響が懸念されますが、現地代理商との連携を強化し、主力製品の「ポップキャンディ」を軸に、2022年11月から稼働を開始した新工場において生産するビスケット製品や新たな業務提携によるキャラクター菓子製品の拡売に注力するなど、売上確保に努める所存です。さらに、ベトナムにおいて新たに設立した合弁会社を通じて現地における販売活動を促進し、海外事業の売上伸長を目指しています。

 上記すべての事業活動において安全・安心な製品の製造・販売に際し、FSSC22000(食品安全マネジメントシステムに関する国際規格)を含め、事業の基盤となる食品安全衛生管理を着実に実行するとともに、労災ゼロ、異物混入クレームゼロを目標に、業務に取り組んでいます。同社グループを取り巻く環境は、厳しい状況が続くと思われますが、前記の各施策を着実に実行することで、堅実に業績確保を目指しています。

 以上により、2023年12月期の連結業績は、売上高1,060億円、営業利益50億円、経常利益58億円、親会社株主に帰属する当期純利益34億円と予想しています。

ESG Elements:環境・社会・ガバナンス

 SDGsの認識浸透とともに、ESG項目は企業の成長可能性をはかる視点のひとつになりつつあります。

Environment(環境):

 環境関連では、CO₂排出量削減と食品リサイクル率の長期的な目標を設定し、低炭素社会の実現と循環型社会の形成への貢献に努めています。

Social(社会):

 社会関連における従業員の多様性(ダイバーシティ)の状況は業界平均レベルで、女性管理職比率は9.9%、中途採用比率は26.1%、障がい者雇用率2.59% です。

Governance(ガバナンス):

 コーポレート・ガバナンスの視点では、社外取締役が41.7%、女性役員が13.3%を占めており、監査役を含めた社外役員比率は46.7%となっています。

Plan:(≒企業理念)

 同社は、1910年に横浜元町で小さな洋菓子屋として創業してから100年を超える長きにわたり、お客様に愛される存在として歩みを進めてきています。同社の成長にとって一番重要なのは「安全、安心な商品を提供すること」であり、食品安全衛生管理を着実に実行しながら、「クレームゼロ」を目標に取り組んでいます。 

 また、従業員一人ひとりの意識と成長を重要視しており、働き方改革、従業員教育などに積極的に取り組み、笑顔溢れる従業員の活動を通じて地域・社会との交流を深めることで、世界のすべてのお客様に愛される企業でありつづけることが、長期的な企業価値向上につながるものと考えています。同社の成長戦略PLANは「企業理念」そのものです。

「企業理念 ≒ 成長戦略」

Out Look:まとめ

 100年を超える歴史を持つ同社は、企業理念そのものが成長戦略となっています。中期経営計画が非公表で数値目標などは掲げていないため、経営戦略が理解しづらいですが、強固な財務基盤をベースとする不二家の不変の企業姿勢は間違いなく「◎」です。

★注目の「チョコレート」「クリスマス」「バレンタインデー」テーマ株

山崎製パン<2212>
製パン最大手。和洋菓子なども。コンビニを展開。子会社に不二家、東ハト。

江崎グリコ<2206>
菓子大手。冷菓やチョコレート、スナックが主体。乳製品、カレーなども。オフィス、通販に進出。

AFC-HD<2927>
健康食品の受託製造・販売。後発薬、漢方薬。さいか屋百貨店を買収。

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この記事の著者
みんかぶ編集室

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