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クビになる中高年「生活に混乱もたらす」…人事ジャーナリスト「これから倒産とリストラが大量発生する」おすすめ転職先8選

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 2025年は企業倒産とリストラが相次ぎそうだ。そう解説するのは人事ジャーナリストの溝上憲文氏だ。「生活に混乱をもたらす劇的な変化の年になる可能性」を指摘している。一体なぜこのような事態になっているのか。一方でこれから伸びる業界もある。そういった業界ではこれからも人手不足が続くことだろう。今後必要とされる人材、スキルとは?みんかぶプレミアム特集「人生激変!プロおすすめのホワイト企業リスト」第2回は溝上氏が解説するーー。

目次

2025年は企業倒産とリストラによって大量の人材が労働市場に排出

 人手不足が続く中、2024年の転職市場は活況を呈している。人口減少による構造的な長期の人手不足である以上、この傾向は2025年以降も変わらないだろう。

 しかし転職市場が活発化するといっても求人企業と求職者の双方がハッピーになるわけではない。政府は転職を促進するために「三位一体の労働市場改革」を推進している。個人に対して時代が求めるスキルを修得するリスキリング(学び直し)を支援し、企業に対しては求めるスキルを明確にした職務給の導入を促し、学んだスキルと企業が求める職務をマッチングさせることで転職を促進し、賃金が上がっていくというのが政府のシナリオだが、そんな夢のような転職環境が待っているわけではない。

ゼロゼロ融資の返済不能による企業淘汰

 2025年は企業倒産とリストラによって大量の人材が労働市場に排出され、給与が安く、希望する職種でなくてもいやが上にも転職せざるをえないような生活に混乱をもたらす劇的な変化の年になる可能性がある。すでにその兆候はある。

 東京商工リサーチの調査によると、2024年1-11月の企業倒産は9164件。11年ぶりに年間1万件を超えるペースで推移している。コロナ禍の資金繰りを支えていたゼロゼロ融資の返済不能による企業淘汰が加速しているのも大きな原因だ。2025年の自社業界の倒産見通しを聞いた同社のアンケート調査(2024年12月18日)によると、「増える」と回答した企業が63.0%(5821社中3667社)を占めた。増えると回答した業種では「織物・衣服・身の回り品小売業」が91.6%だった。この結果を踏まえ、同社は「2025年は企業倒産が本格的に増勢に転じることを暗示している」と分析している。

最低賃金の上昇で倒産を余儀なくされる企業

 倒産の原因は資金繰りだけではない。同社の1-11月の「人手不足倒産」は266件と過去最多を更新している。内訳は「求人難」が107件、人件費高騰が「93件」、「従業員退職」が66件であり、いずれも過去最多を更新。産業別ではサービス業、建設業、運輸業など人手不足産業が最も多くなっている。賃上げムードで人件費が高騰し、それについていけない中小企業が増加していることが大きな原因だが、25年は労働組合の連合は中小企業については賃上げ率6%以上の目標を掲げている。

 加えて石破茂首相は最低賃金の2020年代の全国平均1500円を目指すことを表明している。2024年度の都道府県の最賃の全国加重平均額は前年度比51円増の1055円であり、上昇率は近年にない5.1%の高水準となった。1055円を29年度までに1500円にするには毎年平均90円、率にして7.3%の引き上げになる。中小企業に最も大きな影響を与える最低賃金の上昇で倒産を余儀なくされる企業が続出することになる。

 企業倒産が増えれば当然ながら多くの従業員が労働市場に吐き出されることになる。それだけではない。25年はリストラも増加する可能性がある。大企業がリストラの手段として実施する「早期・希望退職者募集」は、2024年1月から11月15日までに判明した上場企業は53社、対象人員は9219人となり、昨年同時期の2915人の3倍に達し、3年ぶりに年間1万人を超えることが確実視されている(東京商工リサーチ調査)。しかも直近決算の黒字企業が6割を占めている。

リストラが普通に行われる時代にもうなっている

 直近では第一生命ホールディングスの1000人、日産自動車の国内外9000人、人数は明らかにしていないが、富士通、武田薬品工業もリストラに踏み切っている。黒字企業のリストラは今に始まったことではないが、従来は事業の効率化など構造改革が中心だったが、最近ではデジタル化やビジネスモデルの変化による新規事業への進出による既存分野の縮小・撤退による人員削減が顕著になっている。

 例えば生命保険業界ではヘルスケアサービスやヘルスケア商品事業への進出、自動車業界はソフトウェア開発の強化など新事業領域の強化・拡大を推進している。

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