サイバーエージェント、阪急阪神HDの大株主が断言!「金融資産だけの人は、一生豊かにならない」ワケ
金利が上がり、住宅ローンに頭を悩ませる。
AIが台頭し、自分の仕事の先行きに不安を覚える。
現在、ビジネスパーソンの多くが将来不安に駆られ、金融資産をどう増やすかに目を向けている。
こうした多くの人の行動に対して「そのままでは将来不安は決してなくならない」と断言するのが、実業家で投資家の嶋村吉洋さんだ。
嶋村さんはサイバーエージェントや阪急阪神ホールディングス、朝日放送グループホールディングスの大株主であり、テレビ東京ホールディングスの個人筆頭株主としても知られる。
運用する資産は数百億円規模にのぼる。10代で起業して以来、実業家、投資家、映画プロデューサーとして多方面で活躍してきた嶋村さんは「株や不動産を買う前に、まず築くべき資産がある」という。
莫大な資産を築いた投資家が語る「豊かになるためのステップ」を聞く。連載全3回の第1回。
目次
新NISAを満額やっても、あなたは一生安心できない
新NISAを満額で積み立て、家計簿もつけ、投資本も何冊も読み込んだ。それなのに将来の不安がいっこうに消えない。 むしろ、これで本当に足りるのかという不安が濃くなっていく。
そういう人はとても多いのではないでしょうか。断言しますが、将来不安の根源はお金が足りないからではありません。 それは資産を「お金」だけで捉えているからです。
人が持つ資産は三つあります。一つ目が預金や株式といった金融資本。
二つ目が知識やスキル、経験といった自分自身に蓄えた人的資本。そして三つ目が人とのつながり、いわば社会資本です。
多くの人は金融資本にばかり目を向けますが、社会資本が痩せたままだと将来不安もなくなりませんし、経済的に豊かになるのも不可能です。
社会資本は、お金や知識と違って目に見えないため、普段は資産と見なされることがありません。
しかし私は、これがいちばん大きなリターンを生む資産だと考えています。
お金も仕事も、突き詰めれば、人が運んでくるものだからです。
これは、仲良く助け合いましょうといった精神論ではありません。私は現在、サイバーエージェントや阪急阪神ホールディングスといった企業の大株主であり、映画プロデューサーとして作品を世に送り出す仕事もしています。
これらは、金融資本を追いかけて得たものではありません。先に人との関係があり、仲間と続けてきた結果として、後から利益がついてきました。
芦屋の超高級住宅街「六麓荘」で得た学び
こうした考え方の土台には、私自身の生い立ちがあります。育ったのは神戸で、実家は建築業を営んでいました。 決して大きな会社ではありませんでしたが、近隣には桁違いの富裕層が暮らすエリアがあり、私たちのようなごく普通の暮らしと隣り合っていました。
なかでも、隣接する芦屋市にある六麓荘町は、日本有数の高級住宅地として知られる別世界のような場所です。
父の仕事の関係で、私は幼い頃からそうした邸宅に出入りしていました。
私が知り合った富裕層の方々は、必ずしも高い学歴を持っているわけではありません。
むしろ彼らは「学歴や肩書きがすべてではない」と口をそろえていました。なかでも印象に残っているのは、事業を営む方々からの助言でした。
「商売というのは、一人の力でやるものではない。誰と組み、誰に助けてもらい、誰を助けるか。結局はそこで決まるのだ」
子ども心にも、この人たちが本当に大切にしているのは、お金そのものではなく、その背後にある人とのつながりのほうなのだ、ということが伝わってきました。
桁違いの資産を築いた人ほど、その資産が人間関係の上に成り立っていることを、誰よりもよく理解していたのです。
こうした原体験が、いまの私の考え方の土台になっています。本当に大切なのはお金そのものではなく、その背後にいる人だと、幼い私は知ったのです。