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くるぞ、1ドル70円…ついに終了「S&P500神話」私に多く寄せられる「住宅ローンはどうなる」相談の答え

長嶋修

 「ドルが世界の覇権を握っている」。今も昔も世界中の多くの人がそう思っているはずだが、さくら事務所会長を務める不動産コンサルタントの長嶋修氏によれば「ドルは円以上に異常事態にある」という。

なぜ1ドル70円を突破するのか

 長らく世界の金融覇権を米国が握り、ドルが「覇権通貨」として君臨してきました。かつてはゴールドとペッグする(金1オンス=35ドルに固定する)形でしたが、ニクソン・ショック以降は国家の信用、事実上の石油とペッグする形でその価値を担保しています。

 ウクライナ紛争で米国をはじめとする各国は、SWIFT(国際銀行間通信協会)ネットワークからロシアの銀行を締め出しました。SWIFTからロシアの銀行が締め出されることで、ルーブルを持っていても簡単にドルに替えられず、ルーブルの信用や価値が下がり、ロシア経済に打撃を与えるのが狙いです。

 ルーブルはドル経済圏から締め出されましたが、為替相場を見ると、ドルはルーブルに対して、ウクライナ紛争前よりも安くなっています。一方のルーブルは人民元と結びつきを強めており、今となっては世界のGDP(国内総生産)の半数以上の国がドル経済圏以外に属しているというレポートもあります。

 そうするといよいよ「ドルが今後も覇権通貨であり続けるのか」という疑問が出てきます。今は欧米の金融緩和の縮小により、手元にドル資金がほしいからと、一時的にドルのニーズが高まっていますが、これが一通り落ち着いた後はどうなるか。世界中の人々が、ドルが覇権通貨であることに疑問を持ったとき、トムとジェリーのアニメのように、崖に向かって走っていたらいつのまにか地面がない、そのままピューと崖下に落ちる、みたいなことはいつでも起こり得ます。

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この記事の著者
長嶋修

不動産コンサルタント。さくら事務所会長。1967年生まれ。業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」を設立し、現在に至る。著書・メディア出演多数。YouTubeでも情報発信中。

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