1杯900円のうどんに米国人が大行列・・・米国在住投資家がたどり着いた「円安依存」脱却後の意外な投資シナリオ

本稿で紹介している個別銘柄:コストコ(COST)、くら寿司(2695)、トリドールホールディングス(3397)
トランプ米政権の関税政策は、世界経済を大きく揺さぶっている。あわせて、投資マネーの米国一極集中を見直す動き、いわゆる“米国離れ”も加速しつつある。
前回の記事では、こうした不透明感が和らいだときに反発余地が大きい、関税の被害を受けた銘柄について、米国在住投資家の「ぶたまる」氏に聞いた。
では、その次に問うべきことは何か。それは、日本株は本当に“選ばれる市場”になれるのか、という点だ。
今回は、視点を日本の株式市場と企業そのものに移す。足元の日本株は、歴史的な円安を追い風に活況を呈しているように見える。
だが、ぶたまる氏は、現地の投資家目線から現在の株高を非常に脆いと見ているという。
円安に支えられた株高は、為替が反転すれば崩れやすい。では、日本企業が円安頼みではなく、企業としての実力で海外マネーを引きつけるには何が必要なのか。
高市早苗政権の行方や、企業活動にとって望ましい為替水準の考え方も交えながら、ぶたまる氏に日本株の中長期の投資判断を語ってもらう。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
家電敗北も、実は米国で大人気の日本企業
ーー前回は、関税の被害にあった銘柄の再評価の余地があると伺いました。逆風下でも米国で定着している日本企業の中で、現地から見てポテンシャルを感じる企業はありますか。
米国に住んでいて本当に強さを感じるのは「食」の分野です。
例えば、会員制倉庫店コストコ(COST)に行くと、日本ではあまり見かけない特大サイズのキッコーマンの醤油やキユーピーのマヨネーズがずらっと並び、よく売れています。そして、スーパーには当たり前のように、東洋水産「マルちゃん」のインスタントラーメンがあります。
「ついに日本のプロダクトがここまで受け入れられたか」と感じるくらいには現地で浸透していますね。というのも、米国人が「日本のゴマドレッシング最高だ!」と言って日常的に使っているんですよ。
また、外食産業の勢いも凄まじいです。くら寿司(2695)や丸亀製麺(3397)は非常に人気が高く、なかでも丸亀製麺はものすごい行列ができています。
価格なんて、プレーンの「かけうどん」が1杯6ドル(約900円)くらいするんです。それでも現地の人たちは喜んで行列に並んでいる。
ーーただ、世界を席巻していた白物家電は、すでに他国メーカーにシェアを奪われました。食品や外食の一部が強くても、日本企業全体では世界に後れを取っている、という見方もあります。
確かにそうですが、日本製品の「品質の高さ」や「味」といったクオリティそのものは、海外で依然として本当に高く評価されているんです。
とくに食料品であれば、中国のサプライチェーンに大きく依存せずとも現地で生産・展開できる強みもあります。自動車や半導体のように、政府から規制を受けることもまずありません。
もしこの先、円高に振れれば、短期的には円換算の数字が目減りして、株価が揺れるかもしれません。
ただ、地産地消を進めている企業なら、円高でコスト面の恩恵も出ますし、設備投資などに円高を「攻め」の材料として使うこともできます。結局、業績が堅調で戦略が正しければ、為替がどちらに動いても、長期では成長できると思います。
人口減少が進む日本において、このように果敢に海外へ進出し、現地のニーズを掴んでいる企業は、長期的に見て海外で十分に戦えると思います。