初心者はまず「夜の市場」から…10年「負けない」トレーダーが明かす、PTSに残る優位性

日中の相場で優位性が見えにくくなるなか、専業トレーダー・ひでで氏が活路を見いだしたのが、夜間も取引できるPTSだ。取引ツールの使い分けから、これから始める人への助言まで、10年以上相場に居続けてきた男の、生き残るための工夫を聞いた。全3回の第3回
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」
毎日5万円勝っていた実力者が一斉に姿を消した、相場の異変
2021年から2023年ごろ、ひでで氏は印象的な光景を目にした。
「以前から見ていた、すごく勝っているブロガーの方々がいました。自分と同じようなスタイルで、毎日5万円、6万円と勝っていた人たちです。その人たちが勝てなくなり、一斉にやめていった。もちろん自分も以前のようには勝てなくなりました。」
背景にあるのは東証の変化だ。プログラムが自動で売買を繰り返すアルゴリズム取引の影響が強まり、板が読みにくくなった。画面に表示された注文が、人が反応する前に消えたり、また現れたりする。師匠から学んだ当時は大きな武器だった板読みも、今では通用しにくいという。
「昔は単純でした。こうなったらこうなる、そうならなければ損切りする、で済んだ。今は、こうなって、こうなって、さらにこうなって、結局逆に行くのか、という展開ばかりです。裏の裏をかかれるような動きには、もう手が出せません。大型株にいたっては、優位性が見えないどころか、そもそも存在しないのではないかと感じています」
現在、日中に使える手法は3つほど。取引の対象も、以前から触ってきた、値動きの癖を知り尽くした銘柄に絞り込んでいる。本当は多くの銘柄を監視したいが、1人で目を配れる数には限りがあるからだ。今年に入ってからは、ほぼ2つのパターンだけで利益を積み上げてきた。
X(旧Twitter)で話題になった銘柄に飛び乗ることもしない。
「以前はそれでも勝てたのですが、今は取引が活発な銘柄では自分のやり方が通用しません。新しい銘柄を探すにしても、値動きの癖を一から覚え直す必要がある。簡単に取れるイメージがまったくわかないんです。何もできない時期が3カ月ほど続いたら、試すかもしれませんが」
東証で通じなくなった板読みが今も効く、夜の取引市場
日中の苦戦を補うのがPTSだ。取引所の取引時間が終わった夕方以降も売買できるため、引け後に発表された決算やニュースに反応した売買が集まりやすい。参加者は日中より少なく、高速取引の影響も限られる。ひでで氏は前年の年末から取り組み始めた。
「PTSでも板読みが通用すると聞いて試しました。1年ほどで100万円くらいのプラスです。PTSの値動きは、昔の東証によく似ているんです」
高速取引の影響が小さく、空売りもできないため、値動きが素直になりやすい。ただ弱点もある。
「現物取引なので手元の資金をかなり使いますし、取引時間も長いのでチャンスを見つけるのは意外と難しい。そのかわり、狙いどおりに動いたときは利益を伸ばしやすい感覚があります」