やっぱりキオクシアがカギ? バリュー株投資家が教える「半導体」株の見方と損切りルール
本稿で紹介している個別銘柄:Terra Drone(278A)
半導体株を先導してきたキオクシアが半値まで崩れ、日経平均株価も6万3000円あたりまで下げました。「連帯責任のような形でバリュー株も売られる」。そう身構えていたものの、実際は「心配していたほど下げなかった」と語るのは、小型バリュー株を中心に運用する個人投資家の某哲也さんです。
年始からプラスマイナス10%の幅で往復するだけの「増えない一年」を、どう受け止めているのでしょうか。
半導体崩れ後の相場観と、それでも暴落局面で買い向かえる理由を伺いました。インタビュー連載全2回の第1回。
半導体は崩れたが、バリューは連帯責任を負わなかった
ーー以前、「半導体が一度崩れなければ個別株に資金は戻ってこない」とお話しいただきました。その後、日経平均は6万3000円あたりまで下げましたが、あれを「一度崩れた」と見ていますか。
日経平均株価が崩れたというより、先導して上げてきたキオクシアが半値くらいまで一度崩れましたよね。一時は日本株の時価総額ランキングで1位(9月7日時点では4位)になった銘柄が崩れたわけですから、連帯責任のような形でバリュー株も一度下げるだろうと考えていました。
ところが、バリュー株に関しては心配していたほど下げなかったんです。若干は下がりましたが、下落と呼べるほどではありませんでした。相場はなかなか予想どおりにはいかないと改めて実感させられる出来事でしたね。
ーーもっと下がらないと、グッと上がる時期は来ないということでしょうか。
バリューに関して言えば、そういう気はしています。僕が想定していた価格までは下がっていないので、跳ねる局面もまだ来ていないという受け止めです。
ーーこの2カ月で、アクセルを踏んだ局面はありましたか。
アクセルは踏めていません。理由は単純で、バリュー株の水準がほとんど変わっていないからです。アクセルを踏むのは、バリュー株が下げたときか、何か新しいものを見つけたときです。そもそもアクセルを踏むこと自体がまれなうえに、この間はバリューがずっと横ばいだったので、機会がありませんでした。
ーー最近は地政学リスクよりも、長期金利の上昇が意識されて銀行株が見られている印象があります。ご自身のポートフォリオへの影響はありますか。
それもあまり感じていません。金利上昇は前から言われ続けてきたことですから、相場はすでに織り込んでいるのだと思います。たとえば不動産のように借金が多い業種が逆風だったかというと、そこまでではありませんでした。強くはなく、横ばいがずっと続いているので、その影響なのかはっきりしませんが、ずっと前から分かっていたニュースは、もう株価に入っていると考えています。
年初からプラスマイナス10%の幅で往復する一年
ーー6月から今日まで、パフォーマンスはどのくらい動きましたか。
今年は全然ダメです。下はマイナス2〜3%まで、上はプラス7〜8%まで。年始からずっと、この10%程度の幅の中を行ったり来たりしています。増えない一年です。これだけ動かない年は、なかなか珍しいと思います。
我慢を強いられている感覚があります。その傍らでは半導体が盛り上がったり、最近だとTerra Drone【278A】がすごく上がったと聞いたりしますが、流行りに流されないよう耐える一年だと位置づけています。