減税派は刮目せよ!“増税メガネ”岸田首相が打ち出した3つの「偽減税」を全部暴露する…「これは思い付きレベル」

岸田文雄首相が9月25日に打ち出した経済政策の詳細が、今月取りまとめられる。重点事項には「減税」の文字が並んでいるが、国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は「形だけで具体性に欠けるもの。国民は騙されるな」と厳しく指摘する――。第三回にわたる、短期集中連載の初回をお届けする。
TV会見で覚えた「減税政策」への強烈な違和感
岸田政権が迷走している。当初は臨時国会の冒頭解散もあり得ると言われていたが、解散総選挙の絶好の機会を逸してしまった。9月25日にTV会見した経済対策に対し、国民から強い反発が生じて「増税メガネ」という不名誉なあだ名を得てしまったからだ。その結果、現在、岸田首相は臨時国会で補正予算成立を目指す旨をコメントせざるを得なくなっている。
件の会見では、岸田首相は従来まで自分自身にこびり付いた増税イメージを払しょくするために、「成長戦略」として減税を強調した。ただし、この減税政策は一部の企業向け減税制度(利益誘導)であり、庶民に直結する基幹税の税率引き下げではなかったため、国民からの不満が噴出することになった。
筆者は岸田首相の発表内容について、もう一つ強烈な違和感を覚えざるを得なかった。それは岸田首相が減税政策として強調した内容があまりに適当なものであるように思えたからだ。実際、岸田首相が公表した減税制度は、内容が詰まっていない生煮え状態の政策であり、その規模も補正予算の規模に見合わないデタラメなものだった。
「賃上げ税制の減税制度」は10年前から行なわれている古い制度。実績は補正予算のわずか1%程度
具体的に検証してみよう。
岸田首相が発表した成長戦略の中で、「減税」政策として並べたものは、①賃上げ税制の減税制度強化、②特許などの所得に対する減税制度の創設、③ストップオプションの減税制度の充実を検討する、この3つだ。