家計を直撃する「モノクロ化」と物価高 中東情勢悪化が国民生活に与える影響と個人の対処法

中東情勢の緊迫化は企業だけでなく、私たちの日常生活にも着実に影響を与えている。店頭からカラフルな商品が消え、生活必需品が値上がりする中、家計はどう向き合えばいいのか。第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏に聞いた。(聞き手・望月悠木)
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生活に忍び込む「モノクロ化」と品薄
――今回の中東情勢悪化は、国民の日常生活にどのような変化をもたらしていますか。
まず目に見える変化として「モノクロ化」があります。ポテトチップスの一部商品のパッケージが白黒化しましたが、店頭からカラフルなパッケージが消え、簡素な白黒や透明なパッケージに切り替わっています。これはナフサ由来の印刷インクや着色料の調達が難しくなっているからです。また、品数が絞られ、「選択肢が減る」という変化も起きています。
他にも、生活必需品の値上がりと品薄も深刻です。食品トレー、ラップ、シャンプーの容器、洗剤、日用品、衣類のポリエステル繊維など、プラスチック製品全般に値上げや品薄が及んでいます。ただ、食料品については、米の価格が下がってきている部分などもあり、どちらかと言えば、日用品や工業品の値上がりのほうが家計への影響が大きいかもしれません。
――今後、物価はどのように推移していきそうですか。
年末にかけてインフレ率は加速していく可能性が高いです。消費者物価と原油先物価格は約10カ月遅れて連動することが多く、3月以降の原油高が遅れて物価に反映されてきます。特に定価のついている商品はすぐに値上げできないため、年度替わりや下期切り替えのタイミングにまとめて値上げが来ることが多い。10月に集中して値上げが来る可能性があります。
物不足については意外に早く緩和するかもしれません。現在の物不足は流通現場での買い占めや抱え込みによる「目詰まり」が主因です。アメリカとイランは戦闘終結の合意が発表されましたが、停戦・終戦などで流通が正常化すれば、今の米騒動のように一気に余剰に転じることもある。ただ、価格の下落は遅れてくるため、年末にかけての物価上昇は避けにくいでしょう。