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鈴木静岡知事の豪腕「リニア開業で新幹線の静岡停車倍増!」残るは前任川勝氏の置いた「地雷」をどう処理するか

(c) AdobeStock

 リニア中央新幹線の建設工事を巡り、JR東海と真っ向から対決していた前静岡県知事・川勝平太氏。問題発言を連発した後、退任したが、次の鈴木康友氏が知事となっても「一向に着工が始まらない」との見方も出ていた。しかし、ここにきて事態は大きく動いた。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

リニア開業後の静岡県のメリット

 JR東海の丹羽俊介社長が1月30日、静岡県庁で鈴木康友知事と会談した。昨年6月の知事就任時に挨拶して以来となる再会であり、意見交換の機会となった。

 会談では、リニア中央新幹線についての議論が中心となった。丹羽社長は、中央新幹線の早期開業を目指し、静岡工区への着手を一日でも早く進めたい考えを示した。その中で、リニア開業後の静岡県のメリットについて、具体的な進展があった。

 具体的とはこうだ。リニアが品川~名古屋間の開業をする段階では、「のぞみ」からリニアへの移行は限定的と想定されており、普通に考えればダイヤの調整余地も限られるが、静岡県の要望を踏まえ、なんとかダイヤの余裕を捻出し、これを活用する計画だ。現在は静岡駅、浜松駅に1時間に1本停車している「ひかり」を、名古屋開業時点で1時間2本に倍増させる方針だという。実現すれば、おおよそ30分に1本となる想定だ。

 静岡は東海道新幹線の沿線に位置する重要な地域であるものの、新幹線の利用に関する深刻な課題を長年抱えてきた。東京、名古屋、京都、大阪という大都市圏間の需要を賄うための大量輸送を実現する運行体制により、静岡県内の駅への停車本数が制限されてきた経緯があった。

停車本数増加で、より静岡県経済が発展するという意見

 静岡における新幹線需要はそれなりに高い水準にある。停車本数が増えることで、より県内経済が発展していくという意見も多数存在している。

 静岡駅や浜松駅に停車する「ひかり」号は利用者数が多く、東京、名古屋、大阪への日帰り商用移動を希望する人々、もしくは実施中の人々にとって、リニア中央新幹線の開業は重要な利便性向上の機会になると考えられる。

 JR東海は、大阪府までの全線開通時点において、「ひかり」号の停車本数の更なる増加を実施する方針も重ねて表明した。静岡県内各駅への停車回数についても段階的な増加を進める計画が示されている状況である。

鈴木知事「びっくりしたし、喜ばしい情報だった」

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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