減益続く国内鉄鋼2社、配当利回り4%台も気になるトランプ関税の行方

本稿で紹介している個別銘柄:日本製鉄(5401)、JFE-HD(5411)
日米両政府を巻き込んだ日本製鉄のUSスチール買収問題は、5月にトランプ大統領が許可することで着地した。ただし、足元の国内鉄鋼会社の業績は減益が続くなど苦戦している。USスチール買収で新たな展開も予想される鉄工業界について、日本製鉄とJFE-HDの国内大手鉄鋼会社2社の業績を見てみる。みんかぶプレミアム特集「3月決算注目企業」第8回。
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かつては日本を代表した銘柄の「鉄鉱」
1990年代までは、新日鉄(現、日本製鉄)を始めとする鉄鉱銘柄は、国内の株式市場を代表する銘柄と位置付けられていました。バブル崩壊後、鉄鋼会社には冬の時代が訪れたものの、業界再編などが進み現在に至ります。近年では中国勢の成長が著しく、国内鉄鋼メーカーも海外を意識した経営がなされています。日本製鉄によるUSスチール買収はその代表例です。
国内に複数あった鉄鋼会社も、これまでの再編により日本製鉄、JFE-HD、神戸製鋼の3社に集約されました。この中で神戸製鋼は製鉄、発電、建設機械などのコングロマリット経営に舵を切っています。このため純粋な鉄鋼会社は、日本製鉄とJFE-HDの2社に留まる状態です。両社の2025年3月期及び2026年3月期予想や株価指標を見てみましょう。