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先が読めない状況はどうすべき? 金融アナリストがたどり着いた激動相場を乗り切る「強い企業」の見極め方

(c) AdobeStock

 「下がったら買いたい」平時には誰もがそう思いますが、いざ暴落が起きると恐怖で手が出せなくなることは珍しくありません。

 暴落を「バーゲンセール」と捉えるためにはどんな知識が必要なのか?複雑な情勢を読み解く金融アナリスト・個人投資家の三井智映子さんに投資家としての真価が問われる今の相場をどう戦い抜くか、プロの目線からそのヒントを語っていただきました。インタビュー連載全2回の第1回。

目次

過剰流動性相場からどう変化した?

ーーまず、この4ヶ月間の相場を振り返った感想を教えてください。

 非常にボラタイルな相場で、今回の急降下は地政学的な要因に加え、金利不安が一気に突きつけられた結果だと見ています。

 日銀は依然として緩和的な金融環境を維持していますが、かつての極端な超低金利局面とは異なっています。展望レポートなどを見ても、物価上昇率の見通しが2%目標と概ね整合的な水準に向かうとされています。これまでは流動性主導の色彩が強く、業績やテーマ性以上に流動性が評価を押し上げやすい相場でしたが、そこから少し変化してきた印象です。

 2026年2月分(3月24日公表)の消費者物価指数(総合指数)は前年同月比で1.3%上昇と、表面的には落ち着いてきたようにも見えます。しかし、企業の価格転嫁力や実質賃金の持続性については、まだ見方が分かれている状況です。したがって、今回の下げは地政学リスクが大きな発端にはなりましたが、それが即座に景気後退につながるというよりは、「過剰流動性相場から銘柄を選別する相場への移行」を、市場が強制的に織り込んだような状況だと捉えています。

ーー実際の投資成績はいかがでしたか?

 私自身は運用資金を「コア」と「サテライト」に分けていて、コアは長期保有が基本のため、スタンスは変わりません。ただ、こうした局面ではコアの部分であっても資金管理の重要性を再認識させられました。

 サテライトに関しては、かなり頻繁に売買した印象があります。やはりボラティリティが高い相場ですので、こまめに利益を確定させ、現金比率を一定に保つよう心がけました。地政学リスクのニュースに大きく振り回される相場でしたから、先が読めない状況への備えが必要だったと感じています。

スキャルピングが功を奏した理由

ーー現時点(4月13日)で振り返ってみて、これまでの相場をどう評価しますか?

 今の時点で振り返ると、結果的には、トランプ大統領の発言などで急落した局面での押し目買い、TACOなどの戻しや急騰局面での利食いが機能する場面もあったものの、再現性は高くなく、資金管理が前提だった相場と言えます。ボラティリティの高いレンジから上下どちらに抜けるか分からない状況でしたから、資金管理とこまめな利食いを徹底することが重要だったと感じています。

 相場には自分の力ではどうしてもコントロールできない相場次第の部分があります。そのため、今年は自分の判断で完結しやすいスキャルピングに、かなりの時間を割きました。

ーースキャルピングは、具体的にどのような頻度や時間軸で行っているのですか?

 1分足のドル円です。ここ3年ほど、テクニカルの勉強と実践を兼ねて毎営業日取引を続けてきました。今年は年初から「数字としての結果にコミットする」と決めて取り組んでいたので、それが今のところうまく機能している手応えがあります。

 スキャルピングについては、ドローダウンを抑えつつ、確実に取れる局面だけを取ることを重視しました。先が読めない一方でボラティリティが高いことだけは分かっている相場なので、しっかり勉強してアクティブに売買するチャンスは多い環境だったのではないかと思います。

 また、サテライトとポジションを分けたのも正解でした。個人投資家の方から「短期のつもりで買ったのに、下がったから長期投資に切り替えた」という話をよく聞きますが、ポジションを持つ前に、資金管理を含めた出口戦略を固めておくべきですね。

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