資産3億円超の投資家VTuberは四季報で何をチェックする?「1銘柄1分」の確認ステップ

投資歴20年以上、資産3億円越えのエンジニア投資家・はっしゃん。投資家のバイブルとも呼ばれる「四季報」を活用し、有力株を見つけ出すための“1銘柄1分”の業績チェックの方法を伝授する。全3回中の2回目。
※はっしゃん著『「会社四季報」速読1時間で10倍株を見つける方法[改訂版] 投資家VTuberはっしゃんが綿密なリサーチから導き出した「誰でもできる」3ステップ投資術』(翔泳社)から抜粋、再構成したものです。
第1回:まずは「右肩上がり」のチャートをチェック!投資家VTuberが解説する「10倍株」を見つけるためのファーストステップ
第3回:10倍株を狙うには「利大損小」!“あらかじめ決めておくべき”売却ルールとは
目次
1銘柄1分で業績チェック
株価チャートが右肩上がりの銘柄を探して選抜する「ステップ1」が終わり、最終ページまで付箋貼りが終わったら、四季報の業績推移欄から付箋をした銘柄の業績を確認して、株価と業績が連動した右肩上がりの成長株を選別していきます。
業績推移欄は、四季報の各銘柄の左下に用意されています。
ここからは、付箋時と比べると、少しばかり時間が必要になりますが、業績確認に1銘柄1分必要だとすると、50銘柄の場合で50分程度といったところです。
確認するのは、「売上」と「経常利益(または税引前利益)」の推移です。四季報の銘柄欄左下の業績推移欄には、売上や利益の推移が並んでいます。

上の表の例のように売上と経常利益(または税引前利益)が継続して成長し続けているかがポイントです。
「売上高」と「営業利益」の違いがわかりますか?
四季報の業績推移欄は、決算書の売上や利益を時系列でまとめたものです。
ここからは、売上や利益といった最低限の決算書の知識も必要になってきますので、売上や利益の推移を見ていく前に業績推移欄に出てくる用語について簡単に表にまとめておきます。

※ 売上原価とは、商品の仕入れや製造にかかった費用( 水道光熱費製造部門の人件費) のことです。
※ 販管費とは、「販売費及び一般管理費」の略称で、営業部門の人件費や交通費、広告宣伝費などの経費のことです。
※ 営業外損益とは、企業が本業以外の活動で得た利益や損失のことです。持分子会社からの利益や為替差益などがあります。
※ 特別損益とは、臨時に発生する損益です。固定資産の売却益や評価損などがあります。
※ 四季報に掲載される利益の種類は会計基準(日本基準、I F R S 、米国基準などがあります) によって異なる場合があります。
これらの用語の中には「はっしゃん式 四季報速読法」を使う場合には出てこないものもありますが、今後、株式投資を始めるに際して知っておいて損はありませんので、この機会に覚えてしまいましょう。
また、四季報の業績推移欄は、決算書の損益計算書(PL)を中心にピックアップされています。損益計算書の売上高や利益の関係をビジュアル化したのが次のチャート図です。

売上から原価コストや経費コストを引いていくので、利益には複数の種類があることが分かると思います。
売上高は1種類しかありませんが、営業収益などのように会計基準によって呼び方が違う場合もあります。ただし、四季報では、左端に記載されるようになっているので迷うことはないでしょう。
これらの指標から、左端の売上高(営業収益のように呼び方が違う場合もある)と経常利益(経常利益がない場合は税引前利益)の2つに絞ってチェックします。
たくさんある利益の中から経常利益(または税引前利益)を選ぶ理由は、それが営業利益に加えて、文字通り経常的に受け取っている営業外の損益(持分子会社収益など)を加えたもので、企業の実力を連結で評価するのに最も適した利益であるためです。
「売上」と「利益」はどちらも伸びていることが重要
四季報には過去数年の業績推移と今期・来期の二期予想が記載されています。この中で特に注目されるのが今期と来期の予想です。売上と利益がそれぞれ10%以上伸びていれば合格です。
それぞれの伸びは電卓で計算してもよいですが、時間がかかるので、パッと見て数字が年々伸びていることを確認する程度でも問題はありません。

成長株の分類表のように10%以上の伸びが成長株としての合格ラインになります。業績の伸びは、売上・利益ともに伸びていることが重要ですが、より重要なのは売上の伸びになります。
売上を重視する理由は、持続的成長から考えた場合、より長い効果が期待できるからです。
● 売上の伸び
市場全体が伸びていたり、市場内シェアが拡大するなど、長期的な上昇につながりやすい。売上が2倍なら利益も2倍に。売上が3倍になれば、利益も3倍が期待できる。
● 利益の伸び
経営効率化や合理化など、企業努力による改善には限界があり、持続的な成長とはなりにくい。売上の伸びなしに利益だけを2倍にしても限界があり、3倍は難しい。
従って、売上の伸びが顕著であれば、利益が一時的に減少していたり、仮に赤字の場合でも許容する場合もありますが、このあたりの判断は、投資家の好みによって異なってきます。

数字だけで迷ってしまう場合は、四季報の業績解説を読んで会社の強みや今後の見通しなどを確認して判断するのも手です。
より良いのは、会社のWEBサイトで会社情報や決算まで確認することですが、それにはもっと多くの時間がかかるので、この段階では四季報の情報だけで判断するようにしましょう。
なるべく「連続増収増益」の企業を選ぼう
過去の業績は、これまでの成長経過を表します。四季報には、過去3~ 5期程度の情報が掲載されています。
過去業績は、辿れる分まで全て増収増益であることが望ましいですが、必須条件というわけではありません。より重要なのは、過去よりも未来のほうだからです。
ただし、過去に減収や減益になっている企業は、今後も同じような状況が発生すると、そうなる可能性があることを示しています。もちろん、全て増収増益の企業であっても、いつかは減益になる可能性はあるわけですが、減収や減益になったことがある企業は、その確率が高いと考えておきましょう。
企業が健全な成長期に入っている場合は、増収増益が続くようになります。
業績チェックのステップは、投資候補を選別していく段階ですが、実際に投資するか判断する場合には、過去に減益があった場合は、その理由を確認して同じ状況が発生するリスクを考えておく必要があります。
.jpg)