小池百合子知事を直撃「寿司テックって何なんですか?」大阪万博を酷評していた海外イベント評論家が大絶賛した謎イベント

撮影=原貴彦

 少子高齢化や人口集中など、さまざまな課題を抱える東京都だが、都知事3期目を務める小池百合子氏はいま、何を考え、どんな課題に立ち向かっているのか。みんかぶマガジンが独占インタビューした。短期連載全4回の第1回。

 みんかぶプレミアム連載「大物に聞く!」 

目次

海外評論家が絶賛した「SusHi Tech Tokyo」

――東京都が主催する「SusHi Tech Tokyo」が今年も開催されます。大阪・関西万博を酷評していた海外イベント評論家(コール・キャメロン氏)から、本イベントのあり方を「ワンダフル」などと絶賛する声が上がっていました。改めて、このカンファレンスに込めた狙いと、世界の投資マネーやスタートアップを呼び込む戦略について教えてください。

小池知事

 SusHi Tech Tokyo(スシテックトウキョウ)は、すでにスタートアップや投資家の方々の界隈で注目されており、世界の中でも、とりわけアジアではトップクラスのカンファレンスとして認識されていると受け止めています。おかげさまで今年で4回目を迎えますが、4月27日から29日まで開催いたします。過去最大で約750社のスタートアップが参加され、投資家や大企業の方々など様々な分野から人が集まります。今年はAIからロボティクスといった領域に特にフォーカスを絞り、関連したセッションや展示、デモ等を集中的に行う予定です。

「SusHi Tech」という言葉も皆様にお好きになっていただいていまして、お寿司で分かりやすいという側面もありますが、単なるお寿司の話ではありません。サステナブルの「SUS」と、ハイテックで社会を持続可能にしていこうというハイテックの「HI」という二つの言葉を“握る“ことで、付けられたネーミングです。

 多彩な才能が集まり、出会い、交流することを通じて、世界の課題解決に繋がるイノベーションや新たなアクションを生み出してまいります。起業家、投資家、学生、そして皆さん、ぜひ東京ビッグサイトに足を運んでいただきたいと思います。

新たなファンドプラットフォーム「SusHi Tech Global Funds」でスタートアップを支えていく

――スタートアップが成長していくためには、いかにして資金を調達するかが重要です。イベントの規模や予算のあり方が問われる中で、東京都としての具体的な資金支援やエコシステムの構築はどのように進めているのでしょうか。

小池知事

 今年度は、官民連携ファンドを組成しながら、それが一つのきっかけとなって民間ファンドが参画し、さらにそこから投資が膨らんでいくような仕組みを作っていきます。戦略的成長分野を中心としたスケールアップを強力に後押しするため、2つの官民連携ファンドを新たに組成します。一つは成長分野におけるグローバルな投資をテーマとし、都が最大100億円を出資して目標300億円規模とするもの。もう一つはセカンダリー投資をテーマとし、こちらも都が最大100億円を出資して目標200億円規模とするものです。

 これら2つの官民連携ファンドなどを呼び水に民間ファンド等の参画を呼びかけ、官民の多様なファンドが参画する新たなファンドプラットフォーム「SusHi Tech Global Funds」を形成します。これらにより大胆な資金の流れを作り、有望なスタートアップのグローバル展開と成長を支援していく構えです。

「Tokyo Innovation Base」がスタートアップ拠点として成長中

――非日常のカンファレンスにとどまらず、日常的なイノベーション基盤の整備や地方自治体との連携についても動きがあるようですが。

小池知事

 4月、5月に毎年開催しているSusHi Tech Tokyoには、しっかりとした礎があります。有楽町の元都庁舎があった場所で「Tokyo Innovation Base」、通称TIBを運営しています。東京にはIT系の渋谷や創薬系の日本橋など様々なスタートアップ拠点がありますが、TIBはそれらを結節させる場所としてお使いいただいています。まだ2年少々ですが、すでに40万人の方々にご来場いただきました。先日もフランスのマクロン大統領がいらして、TIBでスピーチをされました。スタートアップや企業の新しい出会いを生む拠点にすでになっていると思います。

 また、先日、新潟、山形、秋田の3県の知事がいらっしゃって、地域の課題解決に向けたイノベーション創出イベントを実施しました。雪国では毎年の雪下ろしが大変な負担になっていますが、そこを全く新しい考え方でスタートアップの皆さんの知恵を借りて、除雪作業の負担を軽減するような仕組みを一緒に考えましょうといった議論を行いました。雪下ろしで良いアイデアをお持ちの方がいれば、ぜひ都庁にご連絡いただきたいですね。これから新しい産業をどうやって生み出していくか。東京だけでなく、地方自治体や国とも連携しながら新しい世界を生み出していくことが必要です。

「世界の都市総合力ランキング2025」において、東京はニューヨークを抜き、初めて世界2位となった

――こうしたスタートアップ拠点やイベントの展開と並行して、都市機能の評価に関するデータも発表されている。森記念財団都市戦略研究所が発表した「世界の都市総合力ランキング2025」において、東京はニューヨークを抜き、初めて世界2位となった。指標の一つである「文化・交流」分野、とりわけ「ナイトライフの充実度」の評価向上が順位変動の要因とされている。

――都市の評価指標において、東京の順位が上昇しました。かつては夜のエンターテインメントに関する課題も指摘されていましたが、この結果をどのように受け止めていますか。

小池知事

 ナイトライフを充実させるようにしています。そして、工夫の数々が反映されたのか、世界の都市総合力ランキング2025という森記念財団がやっている調査で、ナイトライフの充実度が東京は世界で一番になりました。

 また、都市の持続可能性という観点では、11月までの累計で日本人の出生数が前年比で0.7%増と、通年で増加する見通しということになります。通年で増加すれば、これで10年ぶりなんです。スタートアップ支援による経済の活性化や、ナイトライフをはじめとした都市の魅力向上が、結果として新しい活力を生み出すことにも繋がっていくと考えています。

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この記事の著者
小池百合子

東京都知事(第20代、21代)。金融・経済ニュースのキャスターを経て、1992年に政界へ転身。環境大臣として、気候変動対策「クールビズ」を提唱。内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)、防衛大臣、自民党総務会長、予算委員会理事などの要職を歴任した。2016年8月より現職(2期目)。1952年兵庫県生まれ。カイロ大卒。政策の立案と実施には「大義」と「共感」が必要と訴え、武道の精神である「心技体」を重視する。

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