これはすごい…上野動物園が夜間開園へ!小池百合子知事に聞く『パンダが中国へ帰っても大丈夫』推し動物、グッズ拡充、世界一のナイトライフ充実…

長年にわたり上野動物園のシンボルとして国内外から多くの来園者を集めていたジャイアントパンダ。しかし、2023年の「シャンシャン」に続き、2024年9月には「リーリー」と「シンシン」が健康上の理由から中国へ返還された。これにより、正門近くの広大な飼育スペースが空き、今後の集客力への影響が指摘されている。そうした中、東京都はパンダに代わる新たな動物のPRや、インバウンド需要を見据えた夜間の観光市場(ナイトタイムエコノミー)を活用した施策を積極的に進めている。パンダ返還後の上野動物園の運営方針と、東京都の観光戦略について、小池百合子都知事に聞いた。短期連載全4回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「大物に聞く!」
目次
パンダを失った上野動物園の新たなスターは「ハシビロコウ」
――中国へパンダが相次いで返還され、上野動物園の入り口付近の目立つ飼育スペースが空いた状態になっています。長きにわたり強力な集客の柱であったパンダという存在を失った後、都として上野動物園の魅力をどのように維持・向上させていく方針でしょうか。
小池知事
東京都には、都立の恩賜上野動物園と多摩動物公園などがあります。都立の動物園の様々な魅力をみつめ、改めて動物たちの魅力を磨き上げていこうと考えています。
先日も、動物園の魅力向上に関しての第1弾の取り組みとして、令和5年に廃止したモノレールに代わる「新たな乗り物」を御紹介しました。園の東西を結びまして、最大60名が一度に乗ることができます。令和11年度から皆さんにご利用いただく予定となっておりますので、ぜひ楽しみに待っていていただきたいと思います。第2弾として、新たなスターも作ります。その一つが、「ハシビロコウ」です。「ハシビロコウ」という鳥をご存知でしょうか。
――先日足を運んだ際に見ました。従来のパンダのような愛くるしい動物とは異なるタイプの、独特な鳥ですね(笑)。
小池知事
本当に全然動かないですよね、微動だにしない。「まんじりともせず」という言葉がぴったりです。くちばしの「ハシ」が広くて、コウノトリの種ということで、あわせて「ハシビロコウ」だと覚えてください。このハシビロコウは国内で14羽飼育されており、上野動物園ではオスが1羽、メスが3羽の計4羽を飼育していて、大人気なんですね。
――たしかに、鋭い眼光のまま、ほとんど動かない印象があります。
小池知事
ええ。このハシビロコウ、元々とても人気者で、上野動物園の色々な動物グッズの中でもこれまで売れ筋トップクラスなんです。全然動かないのに、いざ獲物が来るとビャッと動く。すっごく機敏なんですよ。
――普段は動かないだけでなく、獲物を狙う際などいざという時は俊敏に動くのですね。
小池知事
そうなんです、すごいんですよ。見慣れてくるとすごく可愛いんです。まんじりともせず、微動だにしないハシビロコウと見つめ合って、いざとなったらパッと動く。いい勝負をしてみてください。ぜひ直接足を運んで観察することで、新たな発見をして欲しいですね。
新たなキャラクター作りやグッズ展開が話題に
――新たなキャラクター作りやグッズ展開には、現場の若手職員のアイデアが積極的に取り入れられているとお聞きしました。SNS等でも話題になっているようですが、どのような経緯で生まれたのでしょうか。
小池知事
今回、より多くの皆さんに親しんでもらおうと、若手職員たちとともに愛称やキャラクターを作りました。「ハッシーくん」「ビーちゃん」「ローちゃん」「コウちゃん」と、覚えやすい愛称をつけました。若手職員がみんなで一生懸命考えてくれまして、盛り上がっているんです。彼らのアイデアで、Tシャツも制作しました。背中に謎の記号で「84B65」と書いてあって、これで「ハシビロコウ」と読みます。紹介動画も作成し、とても人気です。これからも様々な機会を通じて、ハシビロコウをPRして動物園界をより賑やかにしていきたいと考えております。
――Tシャツなどのグッズ展開に加えて、園内での新たな取り組みはありますか。東京ズーネットの公式発表では、電動小型カートが新たに導入されるとのことですが。
上野動物園はかなり広いので、電動の小型カートを導入して、移動しながら楽しんでもらえる取り組みを行っています。ハシビロコウをモチーフにしました「ハシビロカート」で、5月から西園の特設コースで運行を予定しています。ルート上には上野動物園の歴史を振り返る展示なども設けます。ぜひご家族、親子三代で乗って楽しんでいただきたいですね。
東京都はナイトタイムエコノミーの開拓にも注力
――新たな動物のPRに加え、東京都はインバウンドの経済効果を最大化するため、夜間の観光需要(ナイトタイムエコノミー)の開拓にも注力しています。上野動物園でも夜間営業が実施されるとのことですが、都立施設の活用として、夜間開園の具体的な内容について教えてください。
小池知事
動物園でも夜の時間を皆さんに楽しんでいただけるよう、5月の後半から6月前半の土曜日、4週連続で夜間開園を実施いたします。キリンなどの様子を解説する限定のナイトツアーのほか、不忍池テラスのライトアップやキッチンカーによる特別メニューの提供など、夜の動物園ならではの体験を企画しております。
また、動物福祉にも配慮して、動物エリアは20時までの公開とし、飲食エリアについては1時間プラスして21時までの営業を予定いたします。昼の時間では見られない特別な夜の動物園をお楽しみいただきたいです。
――――最後に、観光産業における夜間の経済効果についてお伺いします。都として、こうしたナイトライフの推進が東京の国際競争力にどのような影響を与えると分析されているか、見解をお聞かせください。
小池知事
夜の時間をいかに有効にしていくかは、一大産業である観光面で非常に重要です。厳しい国際情勢の中にあっても、安全な東京でゆっくりしていただき、夜の時間も楽しんでもらえるよう、都はナイトライフの充実に力を入れてきました。
色々な工夫を重ねたこともあり、森記念財団都市戦略研究所による「世界の都市総合力ランキング2025」で、東京のナイトライフの充実度が世界1位となりました。東京の夜が世界からも高い評価をいただいています。ギネス世界記録にも認定された都庁舎のプロジェクションマッピングには、かつては夜に誰もいなかった都民広場に、これまで130万人以上が訪れ、3月には臨海副都心の新たなランドマークとなるお台場の噴水「東京アクアシンフォニー」が誕生。昼も夜も楽しいと、多くの方にお越しいただいています。世界最高の観光都市を目指して、今後も東京ならではの魅力やコンテンツを磨き上げ、世界中の方々を惹きつけてまいります。