東京で奇跡の出生数増加!小池百合子知事、独占取材 「今年(令和八年)八月八日に、八丁堀、八王子、八広、八坂で何かが起きます」

撮影=原貴彦

 少子高齢化や人口集中など、さまざまな課題を抱える東京都だが、都知事3期目を務める小池百合子氏はいま、何を考え、どんな課題に立ち向かっているのか。みんかぶマガジンが独占インタビューした。短期連載全4回の第3回。

 みんかぶプレミアム連載「大物に聞く!」

目次

東京都の出生数が10年ぶりに増加に転じる見通し

――国全体で少子化対策が進められ、こども家庭庁などが創設される一方で、出生率は低下傾向が続いています。そうした中、東京都の出生数が10年ぶりに増加に転じる見通しとなりました。これまでの都の取り組みと、国政との違いについてどのようにお考えですか。

小池知事

 昨年の11月までの累計ですが、都内における日本人の出生数は前年比で0.7%の増となりました。通年で増加する見通しで、増加となれば10年ぶりのこととなります。また、出生数の先行指標とも言われるのが婚姻の件数で、2年連続の大幅増加が期待されております。

 私は、覚悟を持って少子化対策に取り組んでまいりました。「結婚したい」、「子供を持ちたい」と望む方はたくさんいらっしゃいます。望む方が安心して結婚し、子供を産み育てられる社会の実現に向けて、都民一人ひとりの不安や悩みに寄り添い、ライフステージを通じた切れ目のない支援を推進してきました。切れ目なく行うことがポイントです。

 こども家庭庁も設置されましたが、往々にして予算の付け方が役所ごとに異なり、小間切れになりがちな側面があります。女性の人生のライフステージは様々あります。「ここの部分はいいけれど、その次どうなるの」と不安になり、結局、実際の行動にはつながりにくい。

――個別の施策を単発の「点」として終わらせるのではなく、「線」として連続性を持たせ、行政の縦割りを結ぼうとする意図があったということですね。

小池知事

 そうですね。だから女性の側、もしくは男性も同じですけれども、役所の都合で政策を行っていてはいけません。住民の側の「こうあればいいのにね」という願いが届かない。投じる予算やエネルギーと、得られる結果が合わないわけです。

 私はいつも、「共感」が重要だと言っています。これは単なるポピュリズムとは違います。みんなの願いがあって、そこにしっかりと政策がはまってこそ、共感が共感を呼び、それが結果を呼ぶことに繋がっていくのだと思います。

婚姻数増加も重要視

――出生数の先行指標とも言われる婚姻数についての今後の施策をお聞かせください。今年(令和8年)の8月8日に向けたキャンペーンについても発表がありました。

小池知事

 日本の場合は結婚して子育てという順番が一般的なので、婚姻数増が重要だと思います。国会議員時代に婚活議連を始めた頃からずっと考えていました。コロナ禍では出会いさえ限られましたから、出生数増の流れは多いに盛り上げていきたいと思います。今年は令和8年。「八」は、末広がりや、横にするとインフィニティ(∞、永遠)など、おめでたい意味を持ちます。そこで、令和八年を、「結婚のきっかけにしたい特別な1年」と位置付けて、結婚に向けた後押しをさらに強化するための「TOKYO 八結び」キャンペーンを展開いたします。令和8年8月8日を目標に、都内全体で結婚気運の醸成を図っていきます。

 そのツールといたしまして、結婚を応援する気持ちを表したポスターを作りました。都の施設や鉄道会社の協力も得て、八丁堀、八王子、八広、八坂など、駅名に「八」がつく駅に掲出してまいります。ぜひ全体で盛り上げていければと思います。

 今年限定の婚姻届も作りました。区市町村の窓口でお配りしています。結婚の記念として御活用していただきたいですね。

 都が提供するAIマッチングシステム「TOKYO縁結び」なども駆使しながら、婚活への第一歩を踏み出したい、素敵な出会いが欲しい、結婚したいという皆様の望みが叶いますように、しっかりサポートしてまいります。

都民の「ストライクゾーン」に該当する施策は何か

――具体的に、どのような施策が都民の「ストライクゾーン」に該当すると分析されていますか。

小池知事

 例えば卵子凍結や無痛分娩への助成。これは私自身がいろいろとこれまで経験もし、そして周りの女性の声をしっかりと聞いています。「本当にここが大変なんです」「こうだったらもっといいのにね」という声を、ぎゅっと凝縮して進めています。

 保育料の無償化もそうです。所得制限のない018サポート、高校等授業料の実質無償化、学校給食費の負担軽減など、国をも先導する取り組みを積み重ね、都内の約9割の子育て家庭に、「東京は子育てしやすい」と実感していただいています。

 出産、子育てのもっと前から言えば、女性が思春期の頃の体について、なかなか相談できるところがなく、産婦人科に行くのも躊躇するものです。そういう女性の気持ちもよく理解した上で、切れ目なくサポートをしてきました。

かつて大成功した「クールビズ」

――過去に展開された「クールビズ」は、人々の意識を変える取り組みでした。今回の少子化対策においても、そうした社会的な意識の変化を意図しているのでしょうか。

小池知事

 気候変動という地球規模の大きなテーマを、「ではどうすればいいの」と、自分事としていただくため、環境大臣の時に、「クールビズ」を打ち出しました。当時は、暑い日本で、アスファルトの照り返しの中を、スーツにネクタイ姿で汗をだらだら流しながら頑張る営業マンが、戻ってきた時に快適なように、オフィスが冷やされている。一方、オフィスの中では女性が夏なのにひざ掛けをして、カーディガンを羽織って震えている。変ですよね。そこで、室温調整に加え、ノージャケット・ノーネクタイを呼びかけ、ライフスタイルや意識から変えていきました。「夏を涼しく過ごせて、楽。」という共感を集め、クールビズはあっという間に国民に浸透しました。また、着れば涼しい、着ればあったかい、日本の繊維産業は世界中で人気となりました。

 人々の意識や、産業、経済の活性化も考えながら、政策は打つものです。

 社会としての「人口減少」は重要なテーマですが、個人が少子化対策を日常生活の中で考えることは普通ないでしょう。でも、一人ひとりが、実現したい希望をお持ちです。夢や希望をしっかりとお聞きして、どうすれば叶えられるかを考え、政策を進めてきた結果が、10年ぶりの出生数増につながっていったと思います。

――都知事就任から10年が経過し、かつて8,000人を超えていた待機児童は現在ほぼ解消となっています。これまでの総括と今後の展開についてお聞かせください。

小池知事

 2016年時点で待機児童が8,466人いましたが、それをゼロにしますと申し上げ、今はほぼ解消しました。出生数も結果が出てきました。今後も、望む方々の希望を叶えるために、東京都はさらに取り組みを加速させてまいります。そもそも、少子化は国家的な課題です。都の先駆的な取り組みを、国を挙げた取り組みに発展させるため、国との連携を強化してまいります。 

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この記事の著者
小池百合子

東京都知事(第20代、21代)。金融・経済ニュースのキャスターを経て、1992年に政界へ転身。環境大臣として、気候変動対策「クールビズ」を提唱。内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)、防衛大臣、自民党総務会長、予算委員会理事などの要職を歴任した。2016年8月より現職(2期目)。1952年兵庫県生まれ。カイロ大卒。政策の立案と実施には「大義」と「共感」が必要と訴え、武道の精神である「心技体」を重視する。

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