「オイルショック並みの衝撃」 中東情勢悪化が日本経済・企業に与える打撃の深さ

2026年2月末にアメリカ合衆国とイスラエルがイランに対する軍事攻撃を開始したことを受け、ホルムズ海峡の通過が難しくなり、日本経済に深刻なダメージを与えている。今回の中東情勢の悪化がどの程度の経済的打撃を与えているのかを、永濱利廣氏に詳しく聞いた。(聞き手・望月悠木)
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回復の途上にあった日本経済
――まず中東情勢が悪化する前、日本経済はどのような状況にありましたか。
もろもろの苦しさは抱えていましたが、マクロ全体としては底固い状況で、ようやく回復の兆しが見え始めていた局面でした。具体的には今年に入って実質賃金が安定的にプラスに転じてきており、コスト高に耐えながら価格転嫁を進めて、賃上げと消費の好循環へあと一歩というところまで来ていた。
その一方で、苦しさもありました。コロナ禍のゼロゼロ融資の返済が本格化して倒産件数にも影響し、日銀の金融政策正常化に伴う利上げで企業の利払い負担も徐々に増加。さらには、中小企業を中心に人件費や採用コストの高騰という問題も抱えていました。それでも、実質賃金がプラスに転じたことで、全体として「賃上げと消費の好循環へあと一歩」という曲面だったと言えます。
――今回の危機は、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナと比べてどう位置づけられますか。
リーマンショックは100年に1度の金融危機、東日本大震災は1000年に1度の大災害、新型コロナは100年に1度のパンデミックです。さすがにそれらと肩を並べるとまでは言えませんが、規模感で言えばオイルショック並みとは言えるかもしれません。
今回の特徴は、2022年のロシア・ウクライナ侵攻のような単なる価格上昇にとどまらず、物資そのものが手に入らないという直接的な実体経済へのブレーキが加わったことです。加えて、コロナ禍と似た長期の不確実性も伴っている。過去の危機の悪い側面が合わさった局面と言えます。