なぜデモでは勝てるのにリアルで負けるのか…プロが明かす「プロップトレードで退場する人」の共通点
「プロップトレードなら大きな資金を使えるから、勝てる手法さえあれば稼げる」——そう考える人もいるかもしれない。
しかし、プロップトレードで退場するのは、決して“勝てない人”だけではない。ある程度までは利益を積み上げられても、連敗した瞬間にロットを上げ、損切りができなくなり、一気に口座を壊してしまう人もいる。
FX歴10年以上、500人超のトレーダーをコンサルしてきたケッティー氏自身も、過去には数百万円単位の損切りや、一度のトレードで数千万円規模の損失を経験してきた。
プロップファームでは、1日の損失上限や最大損失額など厳しいルールが設けられている。自分では止まれないトレーダーを強制的に止めてくれる一方、失格した直後に「次ならいける」「今度こそ取り返せる」と再挑戦を繰り返せば、自己資金で負けた直後に追加入金するのと同じ状態に陥りかねない。
では、プロップトレードで生き残る人と、最後に資金を失って退場する人は何が違うのか。500人超を見てきたプロが語る、“負けた後”の行動と自滅を防ぐための考え方を聞いた。全3回の最終回。
みんかぶプレミアム特集「デイトレで稼ぐ人、退場する人――プロップトレード最前線」
プロップトレードに向いている人
私がプロップファームに向いていると思うのは、実は「まったく勝てない人」ではありません。
自分なりの手法があり、相場環境が合っているときには利益を出せる。でも、どこかで感情的になってしまい、最終的に口座を壊してしまうような人です。
トレードをしていると、調子のいい時期があります。利益が続き、「自分はうまくなった」と感じるタイミングです。
ところが、相場環境が変わると、それまで機能していた手法が急に合わなくなることがあります。
そこで冷静にロットを落としたり、いったんトレードを休んだりできればいい。でも、「昨日まで勝てていたんだから」と同じやり方を続け、負けを取り返そうとしてしまう人もいるんです。
そうなると、ロットを大きくしたり、損切りができなくなったりして、さらに損失が膨らんでいく。
最後には、それまで積み上げてきた利益まで全部なくしてしまいます。
一度のトレードで3000万円規模の損失も…「自分の負けパターン」を知る重要性
私も昔は、本当にいろいろな失敗をしてきました。
数百万円単位の損切りをしたこともありますし、一度のトレードで3000万円規模の損失を出した経験もあります。だからこそ、「メンタルを強くしましょう」と簡単には言えません。
人間なので、負ければ当然悔しい。大きなお金を失えば、「取り返したい」という気持ちも出てきます。重要なのは、そうした感情を完全になくすことではないと思っています。
私の場合は、何度も失敗を繰り返す中で、「自分がどういう状態になると暴走するのか」が少しずつ分かるようになりました。
「あ、今の私は危ないな」
そう気づいたら、もうトレードはやめます。チャートも閉じて、一切見ません。その状態で続けても、ろくなことにならないと何度も経験してきたからです。
大切なのは、メンタルを鍛えて、何があっても平常心でいられる人間を目指すことではありません。自分はどんなときに感情的になるのか、どんな状況でルールを破ってしまうのか。自分自身の「負けパターン」を知っておくことです。
そして、その状態に入ったと気づいたら、自分でトレードを止める。私にとっては、その方がずっと現実的なメンタル管理だと思っています。
お金に余裕があることで「負け癖」が治りにくくなることも
意外かもしれませんが、お金をたくさん持っている人ほどトレードの悪い癖が直らないケースもあります。なぜなら、負けてもまた入金できるからです。
口座資金を失っても、「また入れればいい」と思える。すると、本当の意味で自分のトレードを見直さないまま、同じことを繰り返してしまう。
反対に、使える資金が限られている人は、「これをなくしたら次はない」と考えるので、真剣に勉強する場合があります。
資金があること自体は当然悪いことではありません。ただ、トレードでは「何度でもやり直せる」という感覚が、かえって悪い方向に働くこともあるんです。
この点では、プロップファームの仕組みがプラスに働く人もいると思っています。
自分のお金であれば、「まだ取り返せる」とロットを上げたり、損失を抱えたままトレードを続けたりしてしまう人でも、プロップでは一定の損失に達すればそこで終了になります。
自分でブレーキを踏めない人にとっては、外から強制的に止められることが、むしろメリットになる場合があるわけです。
ーー以降有料ーー