世帯年収1800万円でも「NISA貧乏」に 毎月40万円を投資、借金300万円を抱えた夫婦
NISAの非課税投資枠を埋めるため、生活費のほとんどを投資に回してしまい、切り詰めた生活を送っている「NISA貧乏」が話題を呼んでいる。借金返済というわけではなく、投資のためになぜ貧困状態に陥る人が出てくるのだろうか。家計再生コンサルタントとしてこれまでに3万件を超える相談を受けてきた横山光昭氏に、NISA貧乏の実例などについて話を聞いた。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
そもそも「NISA貧乏」とは
――NISA貧乏という言葉は、以前からあったのでしょうか。
ここ最近出てきた言葉だと思います。2026年3月の国会で片山さつき財務大臣がNISA貧乏について言及したことをきっかけに話題を集め、その後メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。ただ、言葉こそ最近ですが、NISA貧乏という状態は以前からあったと思います。
それでも「生活をぎりぎりまで切り詰めて投資する」みたいな極端な人は昔からたくさんいたわけではなく、ここ最近少しずつ増えてきている、というのが実感です。おそらく、制度が拡充されて年間投資額や非課税保有限度額が大きくなったこともあり、「せっかく枠が増えたんだから使わなきゃもったいない」「早く埋めたほうが得」と考える人が増えたことで広がったものと考えています。
――そもそも、NISAはどういった制度なのですか?
NISAは投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。通常、株式や投資信託で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した分の利益は非課税になります。現在の制度では、毎月コツコツ積み立てる「つみたて投資枠」で年間120万円、まとまった額を一括投資したり、個別株にも使える「成長投資枠」で年間240万円、合わせて年間360万円まで投資できます。
そして、生涯で投資できる非課税保有の上限額は1800万円です。この上限額をどれくらいのペースで埋めていくかで悩む人が非常に多く、それが「早く埋めたほうが得」という発想につながり、結果として無理な金額を設定してしまう一因にもなっています。