「月3万円」のNISA積立を30年続けたケースを家計再生コンサルタントが試算 約290万円の税金がゼロになる?
2014年1月から始まり、2024年1月には非課税期間の無期限化や投資枠が拡大された「新NISA制度」。NISAの最大の魅力と言えば、投資で得られた収益が非課税になる点だ。とはいえ、非課税になると言われても、どれほどのメリットになるのかはピンと来ない。家計再生コンサルタントの横山光昭氏に、NISAにはどの程度のメリットがあるのかなどについて話を聞いた。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
投資に回してよい金額の目安
――そもそも、収入のうちどれくらいを投資に回すのが望ましいのですか。
よくファイナンシャルプランナーの間では「手取りの5分の1(20%)」という意見が出ますが、現場で相談を受けている感覚では、20%はやや厳しいです。私は6分の1(17%程度)が現実的で理想的なラインだと考えています。
まず大前提として、すぐに使うお金と、生活防衛資金を確保しておく必要があります。目安は、生活費の1.5か月分と、半年分の生活防衛資金です。例えば、生活費が月30万円の家庭であれば、1.5か月分の45万円と、半年分の180万円を合わせて225万円。この程度の現金を確保できていれば、それ以外の余裕資金は投資に回すことを検討してもよいでしょう。
人によっては、3〜5年以内に使う予定のあるお金、例えば車の買い替えや子どもの入学金なども現金で確保しておく人もいますが、あまり先の予定まで現金で抱え込みすぎると、今度は投資に回せるお金がなくなってしまいます。そこはバランスを見ながら決めていただくのが良いです。
――「投資に回せる資金がない」という人もいますが、どのようにアドバイスされていますか。
物価が上がり続けている中、家計を切り詰める余地がなかなか見つからず困っている人は少なくありません。そういう人には、まず固定費を見直すことをおすすめしています。家賃や生命保険、携帯電話のキャリアプランなどの見直し、うっかり契約したままのサブスクリプションサービスの解約なども有効です。毎月出ていくお金の最適額を一度きちんと洗い出すことが、投資資金をつくる近道になります。
それでも厳しい場合は、「メリハリをつける」という考え方を伝えています。すべての支出を平均的に削ろうとすると、結局どこも中途半端になってお金は残りません。ここは思い切って使う、ここは極力かけない、という優先順位をはっきり決めて、使ってよい部分と削る部分に差をつける。こうすれば精神的な負担も軽くなり、結果的にお金も残りやすくなります。
――投資するうえで注意しておくべき視点を教えてください。
「銀行に預けておいてももったいない」と考え、必要な現金まで投資に回してしまう人もいますが、それはおすすめしません。特に投資を始めて1〜2年の間はまだ含み益が少ないため、相場が下がった際に現金の余裕がないと精神的にもつらくなります。
現金を手元に残しておけば、相場が下がった局面でむしろ買い増しのチャンスにもなります。インフレが進む今の時代、貯金だけでは目減りしてしまうリスクはありますが、それでも「使うお金」と「守るお金」、そして「増やすお金」をきちんと分けて考えることが、無理のない資産形成の土台になります。