「確率に依存するものには投資しない」。女性社長が語る、再現性のあるお金の使い方
日々、顧客の人生で最大級の買い物に立ち会う仕事をしている。そんな不動産会社の社長は、自分自身の支出にも明確な判断軸を持っていた。「確率に依存するものには投資しない」——宝くじもガチャも買わない。その理由は、好き嫌いでも高い安いでもなく、再現性があるかどうかだ。
株式会社MIKIA代表・髙山亜希美氏のお金の哲学は、仕事の哲学と地続きになっている。顧客との信頼を一件ずつ積み上げてビジネスを育ててきた日々と、確率任せの消費行動は感覚的に相容れない。本稿では、オーダースーツから睡眠投資まで、すべての支出に一本の軸が貫かれた「再現性のあるお金の使い方」を明かす。全4回の第3回。
みんかぶマガジン連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
目次
女性社長の使わないお金——「確率に依存するものには投資しない」
使わないと決めているものがある、と髙山氏は言う。宝くじと、中身がわからない状態で買う商品——いわゆるガチャや封入型のトレーディングカード類だ。
「本当は別のものが欲しいのに、入っていなかったらショックじゃないですか。確率に依存した買い方は、再現性がない。そういう使い方は無駄だと感じています。宝くじも、当選確率を知るとどうしても手が伸びない」
積み上げてきたものに対して正当なリターンを求める、という考え方が、この判断に一貫している。仕事においては、顧客との関係を丁寧に積み上げ、信頼を一件ずつ積み重ねることでビジネスを育ててきた。その日々と、確率任せの消費行動は、感覚的に相容れない。「確実に手に入るものにお金を使いたい。ギャンブル的なものへの支出は、再現性がないから好きではないんです」
代わりに、確実に手元に残るものにお金をかける。オーダースーツ、ホテルステイ、健康グッズ——そのどれもが「体験として自分に蓄積される」か「継続的に使い続けられる」ものだ。一度の消費で終わるのではなく、その後も価値が持続するかどうかが、お金をかける判断の軸になっている。
最初の数秒に投資する—。オーダースーツを自己投資の筆頭に置く理由
自己投資として継続的にお金をかけてきたのが、オーダースーツだ。利用しているのは「GINZAグローバルスタイル」。最初は店舗で生地を選んで採寸し、最近はオンラインでも注文するようになった。「お財布が痛いぐらいの金額ですけど、それだけの価値があると思っています。気持ちが引き締まりますし、初めてお会いした方への印象をきちんと伝えられる。それがスーツの力だと思っています」
不動産の仕事では、初対面の場が多い。オーナーとの商談、顧客との内見——その最初の数秒で「信頼できる人物かどうか」が無意識に判断される。特に高額な物件の取引になるほど、担当者への信頼が意思決定に影響する。スーツへの投資は単なるファッションへの関心ではなく、その判断に先回りするための先行コストだ。
加えて、顧客が高額な買い物や契約をする場面に立ち会う仕事として、「相手に失礼のない身なり」を保つことはサービスの一部でもある。物件の契約は、顧客にとって人生の大きな節目になることも多い。「細かいことかもしれないですが、お客様はそういうところを見ています。自分がお客様の立場だったら、担当者の身なりは絶対に気になりますよ」