負けを認めることは辛い・・・ “億トレ”の兼業投資家が「ナンピンには経済合理性がない!」と説くワケ

兼業投資家で億トレのキリン@神戸投資勉強会氏は、損切りを重視するスタイルで「億トレ」となっている。キリン氏に投資との向き合い方、投資の合理的な考え方などの投資マインドを伺った。
投資銘柄が含み損になるとナンピンしてしまう投資家は、必見の内容と言えるだろう。激動相場の中で投資家は何に注目すべきなのかを伺った。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
どんな相場でも株式投資で利益は出せるものなのか
ーーそもそも、やはり相場が悪い時は株式投資で利益を出すのは難しいとお考えでしょうか?
損切り重視の私のやり方だと難しい部分があります。ただし、手法によるのではないでしょうか?空売りを駆使する方法など、相場状況に関係なく利益を出せる方法はあると思います。自分にはできませんが…。
ーー近年投資を始めた方は、上昇相場しか経験のない方も少なくありません。キリンさんも様々な相場を経験して投資マインドも変化したのではないかと思いますが、株式投資を始めた頃と現在と比べて投資マインドに変化はありましたか?
投資マインド自体は、それほど大きく変わったと感じていません。しかし資金が少ない時は、資金を早く増やしたい、との思いが強かったですね。そのために集中投資もしていました。現在は資金も多少増えて分散投資をしているので、資産全体のボラティリティも低くなりました。
過去と現在の投資マインドで変化があったとすれば、他人の成功をうらやむことが少なくなった点です。昔は投資の成功者が本当にうらやましかったです。基本的に株式投資の成績を他人と競う必要はありませんが、上級者の考え方や視点を学ぶことで成長する効果はあると思っています。現在は過去と違い、落ち着いて取引に臨めるようになりました。様々な経験を経て自分ができることが分かるようになり、以前に比べ投資にそれほど時間を投じないようにもなりました。銘柄研究などの部分は、もっと時間を使う必要があるのかもしれませんが。
損切りは自分の間違いを認める行為だから難しい
ーーキリンさんは損切り重視のスタイル、とこれまでのインタビューでうかがっています。早めの損切りのため、損切りが連続することもあると思いますが、メンタルに響きませんか?
連敗すると当然落ち込みますが、大きな損をしないためのルールなので淡々と損切りを行っています。損切りは自分の間違いを認める行為です。人間は誰しも自分の間違いを認めたくはありません。自らの過ちを認める行為は、当然避けたい気持ちが先に来ます。ただし損切りをする銘柄は、既にマイナスになっている銘柄であり、その資金があればもっと他の有望な銘柄を買えるチャンスがあります。
そのため、有望な投資候補銘柄をストックしておき、損切り後に次の銘柄に乗り換えられる状態としておくことも大切です。これは損切りだけでなく、利益確定の時にも使えます。
ーー損切りというより、次の銘柄に乗り換えるという考え方ですね。
そうですね。個人投資家は資金に限界があります。投資した銘柄が下落しているということは、少なくともすぐに上昇に転じる可能性は低いです。それなら、損切りして回収した資金で次の有望銘柄に投資したほうが、資金は増える可能性が高いのではないでしょうか。
ナンピンは経済合理性にあわない行為、負けを認める大切さ
ーー損切りを避ける方法としてナンピンがありますが、ナンピンについてどのように捉えていますか?
私自身は(基本的に)ナンピンをしません。買いたい銘柄があって、最初に少額を打診買いした後、もう少し調べた後に追加で買うことはあります。ナンピンは負けを避けるために行われる行為ですが、傷口を広げる可能性があるのでやめたほうがよいと思います。ナンピンをする、という時点で下落トレンド銘柄なので、仮にナンピンがうまくいっても、トレンドが転換して利益が出るまで長い時間がかかる可能性が否定できません。その間は損失銘柄で資金が拘束されるため、ナンピンは経済合理性に合わない行為だと思います。
またナンピンがうまくいっても、損失期間の記憶があるため反発するとすぐに利益を確定しがちです。このため、ナンピンは大きな利益につながりにくいです。ナンピンは失敗すると損失が大きい反面、成功しても利益が小さくなる傾向にあり、こちらの観点からも経済合理性がありません。
ーーナンピンは経済合理性に合わないというのは、なるほど、と思ってしまいます。やはり素直に負けを認めて損切りするのがよさそうですね。
負けを認めることはつらいですが、負けること自体は怖いことではありません。経済合理性の観点でも、負けを認めずナンピンするよりも、負けを認めて損切りするほうが良いです。損切りした後、プラスばかりのポートフォリオを見るのは気分が良いものです。