「日本人減」の空白を埋める外国人412万人のリアル。新大久保、池袋、川口…特定エリアにのみ“集約”する経済的必然
日本人人口が年間90万人ペースで収縮するなか、その空白を埋める形で存在感を増しているのが、年間35万人の純増を記録する在留外国人だ。彼らはもはや単なる一時的な労働力ではなく、国内最大の自治体に匹敵する規模の巨大な定住者集団として、都市のあり方を内側から書き換えつつある。こうした居住者の集積は、決して偶発的なものではない。経済合理性や社会資本の利便性に基づいたドミナントな定住圏の形成は、地域の不動産価値やマーケットの風景をどう変容させるのか。不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏が、統計データと都市構造の視点から、多国籍化する首都圏の「居住最前線」を解剖する。
みんかぶプレミアム連載「牧野知弘 不動産を斬る!」
目次
412万人が日本を変えるーー横浜市の人口を上回る“在留外国人”の実像
現在、国内にはどのくらいの数の外国人が暮らしているかご存じでしょうか。出入国在留管理庁によれば、2025年12月末でその数は412万5千人です。同時期の日本の総人口が1億2319万人ですから総人口のおよそ3.3%が外国人ということになります。412万人という数がどのくらいのインパクトがあるかというと、神奈川県横浜市の人口が377万3千人ですから、横浜市を上回る数の外国人が日本に居住していることになります。
日本の総人口は2010年前後を境として年々減少を続けています。2024年の人口統計をみると、1年間の死亡者数は160万人に達している一方で、出生者は68万人とついに70万人を割って話題になりました。つまり日本人は1年間で約90万人減っていることになりますが、日本の総人口はこの1年で1億2435万人から1億2380万人と55万人の減少に留まっています。その間を埋めているのが在留外国人で、この期間に35万人増加していることがこの数値の違いのからくりなのです。
増加を続ける在留外国人ですが、彼らは同国人で集住する傾向があります。日本人ビジネスマンで海外駐在をするときも、日本人が多く住む街を選択する傾向があります。言葉が通じて、情報交換がしやすく、日本人学校などの教育施設が整い、治安が比較的良く、日本食の食材などが入手しやすいなどといった理由によるものです。
こうした理由は日本にやってきて居住する外国人にとっても全く同じです。では彼らはどの街に多く住んでいるのでしょうか。東京都内および埼玉県内での例でご紹介しましょう。
「リトル・コリア」から「多国籍タウン」へ。新大久保周辺における居住属性の変容
■新大久保(新宿区)
JR山手線「新大久保」と総武線「大久保」駅に挟まれた界隈です。この2つの駅は大久保通りで結ばれ、わずか300mほどしか離れていません。両駅に挟まれたあたりは百人町。大久保駅の西側が北新宿、新大久保駅東側が大久保となります。ここが新宿区の中でもとりわけ外国人が多く住むエリアです。
実際にどのくらい住んでいるかと言えば、エリア内人口に外国人が占める割合で示すと、両駅の周辺に位置する百人町1丁目39.6%、2丁目41.2%、大久保1丁目39.8%、2丁目33.5%と軒並み高い比率を示します。最近高層マンションが増えた北新宿でも大久保駅に近い1丁目では25.6%、3丁目24.6%、4丁目22.9%と外国人比率が急増しています。
この街は韓国人が多く住むことからリトル・コリアなどと呼ばれてきましたが、最近はマレーシア人やベトナム人、ネパール人も目立つようになり、飲食店も韓国系のみならず、イスラム系、エスニック系の店舗の進出が目立ちます。