「資産1000万以下は『分散投資』するな」著名投資家の“儲かる株から売らない”出口戦略

「卵を一つのカゴに盛るな」。投資の世界で最も有名といえるこの格言は、多くの初心者にとって「絶対の正解」として深く信じ込まれている。
リスクを抑えるために、国内外の株式や債券、リート、さらにはゴールドなど、さまざまな資産へ細かく資金を分ける手法は、いわば教科書通りの優等生な戦い方だ。
しかし、この真面目な姿勢こそが、いつまでも資産を爆発的に増やせない最大の障壁になっているとしたらどうだろうか。
「資産額によって、取るべき戦術は180度異なるのです」 そう話すのは、貯蓄ゼロから個人資産3億円を築いた「ライオンじゅんさん」こと、金盛潤一氏だ。
今回は、自身の資産フェーズに合わせた最適な投資戦略から、多くの投資家が盲点にしている最終的な「出口戦略」までを金盛氏に伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
資産1000万以下は、分散投資するな
ーー世間では「初心者はオルカンや米国株への少額分散投資が鉄則」と言われていますが、なぜ資産1000万円以下のステージでは分散投資をしてはいけないのでしょうか
一番の理由は、資産が少ないうちから手広く分散してしまうと、資産が拡大するスピードが極端に遅くなってしまうからです。
例えば、手元に100万円の資金があるとします。これを10カ所に10万円ずつ分散して運用し、そのうちの1つが2倍に値上がりしたとしても、全体の資産は110万円にしかなりません。
これでは、日々の生活を変えるようなインパクトは到底得られません。分散投資の本質は、すでに大きくなった資産を「守る」ための行為であり、これから資産を「増やす」ための手法ではないのです。
ーーつまり、まだ守るほどの資産がない初期段階では、あえてリスクを取る必要があるということですか。
その通りです。資産が500万円、1000万円以下のステージであれば、ポートフォリオが特定の資産や銘柄に大きく偏ることを恐れないマインドが不可欠です。ここは「集中投資」によって一気に資産の土台を拡大させるフェーズだと割り切ってください。
もちろん、まったく見込みのない投機的な商品に全財産を賭けるようなギャンブルを推奨しているわけではありません。
私がこのフェーズで特に注目すべきだと考えているのは、しっかりとした「インカムゲイン(配当金)」を出しながら、同時に「キャピタルゲイン(値上がり益)」も狙える、いわば二重取りができる優秀な銘柄です。
ーー具体的には、今の日本の市場環境だとどのような銘柄が選択肢に入ってきますか。
わかりやすい例を挙げるなら、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの大型銀行株です。
2026年現在の日本は長年のゼロ金利政策から脱却し、金利が上昇していく局面にあります。これは銀行の収益力を劇的に高める強力な追い風となります。
この明確なトレンドに加え、東証の要請に応じた増配や自社株買いを積極的に行う企業であれば、手堅い配当をもらいながら株価の大きな上昇も狙えます。
こうした「勝率が高く、リターンも大きい土俵」に資金を集中させることが、初期フェーズを最速で突破する王道です。
最高値のときほど投資を休むべし
ーーでは、集中投資が功を奏して、資産が5000万円から1億円の大台に見えてきた次のステージでは、どのような運用に切り替えるべきでしょうか。
ここからは、これまでの「攻め」の姿勢をガラリと変え、明確に「守り」を意識した運用にシフトしなければなりません。
50代や60代となって人生の出口が近づいてきたり、あるいはサイドFIREを現実的に計画し始めたりする段階において、一つの個別株や株式というアセットだけに資産の70〜80%を集中させ続けるのは極めて危険です。
なぜなら、万が一市場全体を揺るがすような大暴落が起きた際、せっかく築き上げたリタイア資金が一瞬で半減し、人生の計画そのものが破綻してしまうリスクがあるからです。