日経平均6万8000円!プロが狂乱のAI相場の裏で密かに仕込む「ネクスト・メガテーマ」とは
日経平均株価が6万8,000円という未踏の領域を突き進む中、市場の熱狂はとどまることを知らない。しかし、歴戦のファンドマネージャーたちは、すでに半導体の一極集中相場の「次」を見据え、虎視眈々と新たなポジションを構築している。
国内グロース・IPO株のスペシャリストであり、独自のファンダメンタルズ分析で市場のミスプライスを鋭く突くfundnote株式会社のファンドマネージャー・川合直也氏。同氏が牽引するクロスオーバーファンドは、次世代の市場を牽引するメガテーマをどう捉えているのか。プロならではの視点が光る緻密なバリュエーション戦略の真髄を余すところなく語ってもらった。(取材日:2026年5月28日)
(取材・文/ちょる子)
みんかぶプレミアム連載「fundnote 川合・神谷の目」
目次
長期金利上昇の足音と、グロース市場に生じた強烈な「歪み」
日経平均が歴史的な高値圏で推移する一方で、足元のマクロ環境に目を向けると、インフレ懸念を背景とした長期金利の急騰という火種がくすぶっている。一般的に金利上昇は、将来の利益を織り込むグロース株にとって逆風となる。しかし川合氏は、現在のグロース市場は単なる逆風以上に、指数構成そのものに極端な「歪み」が生じていると指摘する。
「現在、インフレが止められないのではないかという強い懸念から超長期金利が上昇し、債券市場を冷ややかに襲っています。この環境下では、AIなどの強力なテーマに乗っていない従来のグロース株(SaaSやコンサルなど)は、バリュエーション(投資尺度)が縮小するリスクに晒されています。
しかしより厄介なのは、今のグロース指数が非常に『歪んだ』状態にあることです。パワーエックスなどの特定銘柄の影響力が時価総額の観点で圧倒的に大きくなり、指数全体の実態を掴みにくくしています。データセンターや蓄電池といった半導体テーマの周辺に位置する大型銘柄やバイオ企業で構成されているため、指数単体の見通しを語ることはプロから見ても非常に困難なフェーズです」
AIインフラ特需の恩恵をダイレクトに受ける「電力・周辺セクター」
指数の歪みを見透かした上で、川合氏がAI・半導体本体の「周辺」として、実需ベースで強力に攻め込んでいるのが「電力関係」のセクターだ。
「AI相場の本丸であるデータセンターを新たに構築するにあたり、避けて通れないのが電力問題です。膨大な電力を安定供給・貯蔵するための大型蓄電池や、送電網をアップデートするための電力インフラ設備など、幅広く強烈な設備投資需要が顕在化してきます。我々のファンドでは、こうした実需をダイレクトに取り込める明電舎などの企業群を中心的に攻めています」