大増配時代がやってきた!“薄給リーマン”をFIREに導いた「一切売らない投資術」

年収300万円台からFIREに至った個人投資家のRicky氏は、年間配当800万円超を達成できた理由について「銘柄選定スキルではなく、日本株全体が大増配時代を迎えていたから」だとはアンス。増配が進む日本株の現状と、その恩恵を最大限に受ける投資術について、Ricky氏が伝える。全3回中の2回目。
※本稿はRicky著『年収300万円から年配当804万円をもらう「激・増配株」投資入門』(KADOKAWA)より抜粋、再編集したものです。
目次
株コレクターが重視する3つのポイント
私が実践している一切売らない投資術のメリットとしてまず挙げられるのは、優良銘柄を安く買うことだけに集中できるという点です。
- 3か月に1回の定期的な銘柄選定と買い時の見極め、そして打診買い。
- 急落局面が来れば多めに買付、暴落が来ればさらに大きく買い増していく。
- 買付後は大きな異変がないか決算を大まかにチェック。
基本的にやることはこれだけです。売買差益を狙うスタイルだとそうはいきません。作業量は数倍に膨らみます。
いずれ売却することが前提ですから、上記に加えて保有銘柄の決算もより詳細なチェックが必要ですし、割高になった銘柄の売却と割安銘柄への乗り換え作業が加わります。
これが私は特に難しく感じます。株価が割高な水準で推移している時は、他の銘柄も基本的に割高であることが多く、よほど明確な基準に基づいた割安度判定ができないと、乗り換えは失敗します。
売ってしまった銘柄がその後も上昇を続け、新規で組み入れた銘柄がなかなか上がらないという経験をした方も多いでしょう。
あるいは、売却後に下げたところで同じ銘柄に、再INをしようと考えるかもしれません。しかし、自分が売ったところが天井である可能性は低いです。
結局、何もせずそのまま保有していれば良かったという悔しい思いをした方もたくさんいることと思います。それほど売り時の見極めは難しいのです。
株コレクターが増配の恩恵を最も受けられる
株コレクター投資術なら、「買いだけに集中できる」というメリットがあります。それ以上に大きいメリットだと感じたのは、「増配の恩恵を最大限受けられる」という点です。
特にリーマンショック以降は株主還元強化の流れが強くなり、それまで以上に増配に力を入れる企業が急増しました。この点は、想定外の喜びでした。
私がやったことといえば、買付後ただホールドしていただけです。それなのに、結果として配当が年々増えていきました。
どんなに増配に勢いがある銘柄を持っていても、利確してしまった時点で、その恩恵を受けることはできなくなります。
内心では、「私の銘柄選定スキルが素晴らしかったから!」と自慢したいところなのですが、そうではなく日本株全体が大増配時代を迎えていたというのが事実です。
三菱、三井、住友グループの中核企業の配当推移を見てもわかるように、日本を代表するような大企業でも増配の勢いは加速しています。

「10年で配当3倍以上」の企業も少なくない
特に、2020年のコロナショック以降はその流れが顕著です。分散投資を徹底するほどリターンは市場平均に収束していくので、短期間で大きく資産を増やすのは難しいというのは投資の常識です。
しかし、投資家なら誰もが知る大型株への分散投資で、リスクを抑えながらも増配パワーで十分資産形成が可能であったのは事実です。ここ15年続いている日本株大増配の流れが本物であることの証明です。仮に年12%の増配率が継続すると配当金は10年で3倍を超えます。
先ほどの旧財閥系中核企業17社の中でも10年で配当が3倍以上になった実績を持つ銘柄は8社あります。
2倍以上という条件ですと、17社中13社に及びます。
特に三菱商事、東京海上ホールディングスの増配の勢いはすさまじく、三菱商事は直近0年で配当金が4倍以上、東京海上は5倍以上になりました。
あくまで結果論ではありますが、旧財閥系企業群の増配実績を見てもわかるように、分散投資を徹底しても 10年で300%の増配率というのは決して不可能な数字ではありませんでした。
「大型株での資産形成」はまだ可能
ただし、年12%の増配率というのは1年単位で見た場合、年間配当25円が28円に3円増配されるということになりますので、一見物足りなく感じてしまう方が多いのかもしれません。
増配は株価上昇の大きな要因にもなりますので、好決算と増配発表、そして株価上昇を見て利確を考える投資家も多いことでしょう。
利確する方を批判するわけではないのですが、25円配当が28円に、50円配当が56円に、
100円配当が112円に、200円配当が224円に増配するということは実はとんでもないことなのです。
人間の脳は複利計算を暗算で行うのが苦手です。仮にこの年12%の増配率が続くなら、10年で配当金が3倍になるポテンシャルがあるということを多くの投資家は忘れがちです。
だからこそ年間10%を超える増配率の持つ複利の力を過小評価してしまうのです。
ローンや負債の金利負担は複利効果で資産形成に大きなマイナスになりますが、増配株投資における増配率の複利効果は、資産形成のスピードを大きく加速してくれます。
そこがトレードで売買益を狙う投資とは違う、株コレクター投資術の最大の魅力なのです。
リーマンショック以降は無名の中小型株をわざわざ選定せずとも、こういった有名大型株を買って一切売らずに増配パワーを味方につければ、十分資産形成は可能でした。
これだけ増配への下地が整った今の投資環境だと、これからもしばらくは有名大型株で資産形成をしていくことは可能でしょう。
ただ、私が理想とする投資はもう少し貪欲です。それは増配銘柄に共通する特徴をつかみ、中小型株も含めての銘柄選定を行うことで、「市場平均を上回る増配率」を達成することです。
市場平均を上回る株価上昇率には興味がありません。売買益を狙わない私には高い増配率が続いてくれればそれで良いわけです。
もちろん、過去の増配率が今後10年も同じようには続かないかもしれません。ただコロナショック以降、ますます増配の流れが顕著になっている現在、多くの投資家にとって増配の要素は無視できなくなっています。
個人的には、今後10年はこれまでの10年と同じく、幾度もの暴落を経ながらも増配の流れは継続すると思っています。いや、過去10年以上の増配率となる可能性も十分あると思っています。増配に向けた日本株を取り巻く投資環境はますます整ってきているからです。
受取配当額は12年前の5倍に
となると、どういう投資スタイルであれば増配の恩恵を丸々受けられるのか。その答えは明白です。それが「株コレクター投資術」です。売らずにホールドを続けることで増配パワーを丸々自分のものにできるのです。
実際、私の受取配当は12年前の約5倍になりました。増加分の内訳は下記のようになっています。
・持ち株自体の増配分(3.5倍)
・配当金の再投資分(1倍)
・給与からの新規買付分(0.5倍)
薄給で入金力の弱かった私にとって資産形成を加速させてくれたのは、主に増配の力でした。私より入金力がある方なら、経済的自由への道のりはさらに短くなるでしょう。
たとえ子育て中で生活費がかかり投資に回せる資金が少ない方でも、コツコツと増配期待銘柄を買い、雨の日も風の日も暴落の嵐の日も保有し続けるのです。時間の経過とともに継続的な増配の持つ圧倒的パワーを実感できるはずです。
10年で300%を超える増配率だった銘柄が多かったといっても、この間に1回でも含み益に目がくらみ利確してしまえば、得られるのは保有期間に応じた増配の恩恵と一度きりのキャピタルゲインです。
増配傾向にある銘柄は株価の下値も支えられやすいため、いったん利確をしてしまうと安く買い直すのは至難の業です。
利確後すぐに株価が下落して買い直せるチャンスなど滅多にあるものではありません。逆に売却後に株価が上昇してしまった時の悔しさは誰もが経験済みでしょう。
キャピタルゲインを狙わず一切売らずに保有し続けると決意することで、増配の複利パワーを最大限活かせるのです。
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