日経平均は9万円に? リスクは? 著名投資家が注目する「AIによるパラダイムシフト」の先

未来の株価がどうなるのか、それを予想する人は多いかもしれませんが、既に資産を築いている投資家は「予想」に意味がないことを知っています。
書籍『100万円を1億に増やすAI活用投資術』(宝島社)を出版したはっしゃんさんは、AI・半導体セクターに資金が偏る中で、「これからのシナリオ」を想定し、備えることが大切だと言います。
「AIによるパラダイムシフト」について語っていただきました。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
日経平均株価は過熱気味なのか?
ーー前回の取材で「日経平均株価は7万円に届くか」というお話をしましたが、その後さらに上昇して7万2,000円台に乗せました。この水準に達したとき、過熱感は感じましたか?
日経平均株価自体が年初から5割高になっているわけですから、過熱しているといえば過熱している。それはその通りだと思います。とはいえ、理論株価から見ても、上がっている銘柄はきちんと業績を伴って上がっています。今のAI特需という大きな流れの一環として見れば、先行期待も含めて、分からなくはない上昇だという感じにもなっているので、行き過ぎた過熱というよりは「想定の範囲内の過熱」というところでしょうか。

ーー理論株価から見た日経平均株価の適正水準は、今いくらぐらいなのでしょうか?
理論株価Webのトップに掲載していますが、7月17日時点で6万2,473円です。ここで面白いのは、市場全体と日経平均株価の乖離です。理論株価Webでは、本来あるべき株価(理論株価)までの上昇余地をα(アルファ)値という指標で示しています。プラスなら、株価がまだ理論株価より安い「割安」、マイナスなら理論株価を超えて買われている「割高」という意味です。
このα値で見ると、上場企業全体ではプラス32%前後。3割ほどの上昇余地があり、まだ割安なんですね。ところが日経平均株価だけを取り出すと、α値はマイナス2.6%。すでに理論株価を上回るところまで買われています。
日経平均株価は半導体・AI関連の値がさ株の影響を大きく受ける指数ですから、そこに資金が集中した結果、「指数は割高なのに、市場全体はむしろ割安」という二極化が起きています。これが現在の日本株市場の姿だということです。
株価の行方、個人投資家の考え方
ーー年末に向けて、日経平均株価はどのような動きをすると予想されますか?
私は「予想をする投資家」ではなく、どのようなシナリオで相場が動いても、それに臨機応変に対応する、動いたところについていくタイプの投資家です。もちろん、全く予想しないのではなく、基本シナリオと再現性を期待値(確率)で考えています。私の場合、投資の成果というのは、予想が正しかったからうまくいくというよりも、実際に動いたシナリオに対して自分がどう行動したかで決まることも多いものです。どのシナリオに変化しても対応できるように準備しておくことが大切です。
その上で、あえて予想するなら、年末の日経平均株価は下へ行くなら5万円、上へ行くなら9万円、どちらかではないでしょうか。
ーー8万円をすっ飛ばして9万円ですか……⁉
あくまでも、その価格帯まで達したときのことを考えておくという意味です。どちらに行くかを当てるのではなく、実際に動いた方向に応じて、あらかじめ考えてある戦略を実行していくほうが合理的です。
今はAIによるパラダイムシフトの真っ最中だと私は理解しています。そして、そのパラダイムシフトがどこまで行くかは、誰にも分かりませんから、パラダイムシフトが終わってしまえば5万円ですし、行くところまで行けば最終的には10万円を超えると思います。年末という区切りで見れば、9万円ぐらいかなというところです。
今の上がり方は、ITバブルの再現という見立てでいくと、まだ三合目ぐらいだと思うんですね。理論株価から見ても、そこまで行く可能性は十分あるのではないかと思います。