ぬいぐるみ年商8桁作家が語る「好き」を仕事にする世界観の作り方と、出産・育児を経たこれからの在宅ワーク戦略。ぬいぐるみの枠を超えたキャラクタービジネスへの展望
大手IT企業での在宅勤務をきっかけに副業を始め、今や年商1000万円前後のビジネスへと成長させたぬいぐるみ作家のあまがみねこ氏(真知子氏)。第1回、第2回では、会社員からの独立のプロセスや、効率的な生産・発送体制、そして日々のストイックなルーティンについて伺った。
最終回となる第3回では、同氏の最大の強みである「キャラクターの世界観・設定へのこだわり」の原点と、2人目の出産・育児というライフステージの変化に合わせた今後の事業戦略について深掘りする。さらに、インタビューの終盤で盛り上がったゲームや他メディアとのコラボレーションへの興味、そしてこれから在宅での副業やクリエイティブな仕事を目指す人へのメッセージを語っていただいた。
みんかぶプレミアム連載「在宅副業、在宅ワークで稼ぐ術」
目次
幼少期の夢が原点。「物語」と「細かい設定」がキャラクターに命を吹き込む
私がモノ作りにおいて最も大切にしているのは、単に可愛いぬいぐるみを作るということだけではなく、そのキャラクターが持つ「世界観」や「設定」をしっかりと作り込むことです。
第1回でも少しお話ししましたが、私は小さい頃、漫画家になりたいという夢を持っていました。自分で漫画や小説を書いたり、オリジナルの物語を空想したりするのがとにかく大好きな子供だったんです。キャラクターの性格や背景、好物や人間関係といった細かい設定をあれこれとノートに書き出すことが得意で、時間を忘れて没頭していました。
大学進学や就職を機に、一度はそうした創作活動から完全に離れてしまいましたが、遊園地アトラクションの世界観を作る業務や、GMOペパボの素晴らしい社内環境から、仕事を通じて少しずつクリエイティブへの情熱が蘇ってきました。「けさぱさふれんず」というブランドを立ち上げたときも、ただ丸くて可愛い妖怪のぬいぐるみを作るのではなく、それぞれのキャラクターに名前や明確なプロフィール、そして彼らが生きる物語を持たせることにこだわりました。
お客様が私の作品を手に取ってくださるとき、「生き物」として愛着を持ってくださるのは、幼少期に物語を書いていた経験や、遊園地のアトラクションプランナーの時に培った世界観や設定づくりの経験が活きているからではないかと思います。SNSでコマ撮り動画を発信しているのも、その世界観をより生き生きと伝えるための手段の一つです。
2人目の出産と「自主的育休」。ライフステージに合わせてビジネスをコントロールする
現在、私は5歳の娘と1歳の息子の育児をしながら活動していますが、ここ最近の1年間は、ビジネスの規模をあえて少しセーブしていました。2人目の出産という大きなライフイベントがあったため、会社員でいうところの「育休」を自分で自分に与えるような形で、仕事の量をコントロールしていたんです。
2024年の段階では、年商1000万円前後という規模を維持することができましたが、これは第2回でお話しした「受注生産方式」や、外部の裁縫のクラウドソーシングサービスを活用したパーツ外注の仕組みを事前に構築していたからこそ可能だったと感じています。もし、すべてを自分の手だけで囲い込んで作っていたら、出産や育児のドタバタの中で、2025年は完全に活動がストップしてしまったはずです。
自分で事業をやっている「ひとりEC」や在宅ワークの最大のメリットは、このように自分のライフステージや家族の状況に合わせて、仕事のアクセルを踏んだりブレーキをかけたりする主導権が100%自分にあることだと痛感しています。子供たちが少しずつ大きくなり、手がかからなくなってきたこれからは、セーブしていた活動を徐々に本格化させ、次のステップへと進む準備を始めています。