新作より「7割引きの旧作」が儲かる? 億り人ゲーム投資家が明かすゲーム業界の“意外な収益構造”
本稿で紹介している個別銘柄:任天堂(7974)、ソニーグループ(6758)、カプコン(9697)
ゲーム機の価格が上がっている。Nintendo Switch 2は約6万円、ディスクドライブを搭載したPlayStation 5も約10万円。「子どもでも買える娯楽」というかつてのイメージから、ゲームはずいぶん遠い存在になったと感じる人もいるだろう。
ここまで高くなれば、ユーザーが離れ、ゲーム市場そのものが縮小しても不思議ではない。ところが、元手300万円からゲーム株投資で資産1億円を築いた専業投資家のゆず氏は、「ゲーム企業はまだまだ投資チャンスだと思います」と話す。
なぜ、ハードの価格が上がっているにもかかわらず、ゲーム会社の成長余地は残されているのか。そのカギは、ゲーム機の販売台数だけでは見えてこない。
いま、ゲーム会社の収益構造は大きく変わりつつあり、これまでとは違う形で利益を積み上げられる企業も増えているという。
ゲーム市場の“本当の稼ぎ方”についてゆず氏に伺った。インタビュー連載全2回の第1回。
ゲーム機が高くなっても、市場は伸びる?
ーーゲーム機が10万円近くなると、さすがにユーザー離れも心配です。
ゲーム機そのものが高くなっているのは間違いありません。ハードを販売する任天堂(7974)やソニーグループ(6758)にとっても、部品価格が上がれば採算面では厳しくなります。
ただ、ゲーム市場を見るときは、ハードの価格だけで判断しないほうがよいと思います。
現在のゲームビジネスは、昔のように「ゲーム機を買い、店でカセットやディスクを買う」だけではありません。
ソフトのダウンロード販売が広がり、発売から何年も経ったタイトルがセールで売れる。DLC(追加コンテンツ)などを通じて、発売後も収益を積み上げられるようになりました。
しばらくゲームから離れていた人ほど、この変化は意外と知らないと思うんです。
ーー価格が上がっても、別のところで稼ぎやすくなったわけですね。
そうですね。なかでも大きいのが、パッケージ販売からダウンロード販売への移行です。
パッケージの場合、ディスクなどを製造し、店舗まで運ばなければなりません。物流費もかかりますし、店頭に置ける商品数にも限りがあります。
ダウンロード販売であれば、そうした制約がありません。
10年前の作品でも、ストアに残しておけば売れる可能性があります。新作をきっかけにシリーズへ興味を持った人が、過去作をまとめて買うこともある。
実店舗では棚から消えてしまう作品でも、デジタルなら何年にもわたって販売できる。この違いは大きいですね。