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かえってイデオロギーが先鋭化してしまう…「自民党の派閥はあった方がよい理由」(三浦瑠麗)

 国際政治学者三浦瑠麗氏の全3回短期集中連載「政界再編」。第1回のテーマは自民党。派閥解消が相次いでいるが、一体それは何を生み出すのか。「権力闘争と大義は一体だからだ。権力闘争なき大義には力がなく、大義なき権力闘争には意味がない」。三浦瑠麗氏が派閥の本質を語るーー。

目次

「派閥解消」は権力闘争

 岸田文雄首相の「宏池会解散」宣言を皮切りに、自民党の派閥解消が相次いでいる。宏池会以外に会計責任者が起訴された清和政策研究会、二階派に限らず、森山派や谷垣グループも解散。自民党の「政治刷新本部」の中間とりまとめを受け、派閥解消に反対していた茂木敏充氏率いる茂木派も政策集団への移行を表明した。今回のスキャンダルは派閥の資金集めと議員個人への還流金のあり方、不記載、使途などが問題となっているが、派閥を解消することと政治資金改革はイコールではないはずだ。なぜ自民党は派閥解消に雪崩を打ったのだろうか。

 それを理解するためには、東京地検特捜部が捜査に入って話題となった一連の「パーティー券売上還流金不記載」問題の構造を政治のリアリズムの観点から読み解く必要がある。特捜は独立した行政機関であり、いざ起訴されるとなれば事は司法の場に進み、双方にもし争いがあればそこで決着がつくことになる。社会的注目が大きい事件ゆえに裁判で負ければ責任問題となるため、起訴判断と捜査の権能を併せ持つからといって全くのフリーハンドとはいえないだろう。

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この記事の著者
三浦瑠麗

国際政治学者、シンクタンク 株式会社山猫総合研究所代表 1980年10月神奈川県茅ケ崎市生まれ。 内政が外交に及ぼす影響の研究など、国際政治理論と比較政治が専門。東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士課程修了、博士(法学)。東京大学公共政策大学院専門修士課程修了、東京大学農学部卒業。日本学術振興会特別研究員、東京大学政策ビジョン研究センター講師などを経て2019年より現職。『21世紀の戦争と平和』(新潮社)、『シビリアンの戦争』(岩波書店)など著作多数。近著に、「日本の分断」(文春新書)、「不倫と正義」(中野信子氏との共著、新潮新書)。

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