竹中平蔵「日本人は90歳まで働くことになる」…額ではなく、脳に汗をかいて”資本所得”をちゃんと作りなさい

人生100年時代と言われるが、そうなれば当然、生涯かかる生活費も増えていくことになるだろう。しかし、日本ではなかなか給料が上がらない。経済学者の竹中平蔵氏は「国の経済が成熟したら、労働所得の割合を減らし、資本所得を増やしていかなければならない」と語る。プレミアム特集「1億貯める#タイパ投資術」の第2回では、竹中氏が日本人の未来を解説する――。
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2007年に生まれた子どもの半数が、107歳まで生きる
日本人は90歳まで働く時代がくると思っております。英国のリンダ・グラットン教授が「2007年に日本で生まれた子どもが107歳まで生きる確率は50%もある」と言っています。そうなると80歳、90歳まで働く人というのは当然多くなってくるはずです。
そういった時代が訪れれば、色々の問題が社会に生じてきます。その一つに20歳前後から働き始めたとして、約70年間も一つの会社で働くなんてありえません。どこかで転職が必要になってきますし、当然リスキリング(学び直し)の必要性も高まります。また超少子高齢化の影響で、年金を受け取ることができる年齢もあがっていくでしょう。
日本人は学校でも企業でも、ジェネラリストになるための教育を受けてきました。3~4年ごとに部署を移動する会社が、日本ではとても多いですよね。つまり日本は専門家が少ない社会になっています。
しかし、変化がますます激しくなるこれからの時代、「専門性がない」というのは大きなハンデになります。