JIMINとJUNG KOOK転役、共に励まし合った日々…いま、BTS第2章の幕が上がる。

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日野百草『BTS第2章 新たな旅へ。』 

 RMのサキソフォンとVの笑顔、その翌日。

 2025年6月11日、JIMINとJUNG KOOKも帰ってきた。

 京畿道漣川。漣川公設運動場で陸軍第5歩兵師団砲兵旅団のパク・ジミンことJIMINと、チョン・ジョングクことJUNG KOOKが、前日の春川におけるRMとVに続き除隊の挨拶を行った。

 繰り返すが韓国の制度では除隊ではなく「転役」(厳密には除隊後も予備役という「役」になるため)であり、兵役も服務(現役服務、社会服務など)だが、多くの日本人には馴染のない法制度のため本稿では便宜上に除隊、兵役とする。

目次

「ずっと待ってくれて本当にありがとうございます」

 JIMINとJUNG KOOKは同じ陸軍第5歩兵師団砲兵旅団にいた。

 花束を持ち笑顔の二人はこう挨拶した。

 順番に、まずJUNG KOOK。

「記者や関係者のみなさん、私たちの除隊の場に来ていただきありがとうございます。今日除隊となりました」

「カメラは久しぶりです。化粧もしていません。ちょっと恥ずかしいですね。何を話していいのか」

「軍の先任のみなさん、後任のみなさん、先に除隊した同期のみなさん、悩みも苦労もたくさんしていらっしゃる幹部のみなさん、本当に疲れ様でした。面倒を見てくださり感謝の念に堪えません」

「(兵役中にあった)たくさんのこと、これから整理してライブで公開するつもりです」

 続いてJIMIN。

「少しの休暇の気分です。聞こえづらいかもしれませんが、私たちのために来ていただき記者の方々、本当にありがとうございます。ファンもたくさん来てくれて、感謝

「ARMYに先に言うと、コロナ禍から兵役と長い時間、ずっと待ってくれて本当にありがとうございます。除隊後は私たちが描いてきたことをこれからも描こうと思います。よりいいものを準備できたらお見せしたいです」

「軍隊は初めてでした。簡単ではない場所でした。軍隊を甘く考えていたわけではないのですが、それでも厳しい場所でした。でもみんなで苦労して、食事をしたり外で寝たりの深い情もありました」

「ありがたい思い出を、この先ずっと大切にしたいと思います。最後にもうひとつ、(韓国)国民のみなさま、軍隊は簡単でない場所でした。苦労している方々もたくさんいますので、よければ軍人とお会いする機会があったなら少しでもあたたかいお言葉をかけてくだされば光栄です。あとはライブでいっぱい話します。来てくれてありがとう」

JUNG KOOK「不思議な気持ち、何を話していいのか」

 二人はこのように語り、さっそくWeverseでライブ配信に臨んだ。

 JUNG KOOK「不思議な気持ち、実家がない。何を話していいのか」

JIMIN「私たち二人だけ一緒に入隊したことが気になっている人もいるのでは。軍隊の話を10部作で語ろうなんて話していたけど今となっては話すタイミングではないように思う」

 除隊後の二人には戸惑いも見えた。これは前日のRMとVもそうで、RMは除隊前日に涙を流したことを告白している。Vもまた自分の除隊では涙は出なかったとしながらも、軍の仲間との夢の話と彼らに自分が何をできるかを考えたと語った。

JIMIN「入隊前から本当に不安だった。訓練所でも気が滅入ってしまった。(最初のころの)5週間、毎日辛かった。食事のときも就寝前も歯磨きも辛かった。でもJUNG KOOKが元気づけてくれたんだ「ヒョン、1日過ぎた」「もう2日だ」「時間が経つのが早いね」って。すごく助けてもらえた。でも配属後は立場が逆になって、今度は僕がJUNG KOOKに「1日経ったね」と励ました。お互い支え合ったし軍のみなさんも良い人ばかり、心配するほどじゃなかった」

JUNG KOOK「(軍では)知らないうちに多くを学んだ」

JIMIN「芸能人ということを一瞬忘れてた」

 一部を意訳、抜粋とするが二人もまた率直に語ってくれた。まただんだんとおだやかな気持ちを取り戻したようで、

JIMIN「完全に軍人として野生のように生活していた」

JUNG KOOK「ヒョンは(部隊の)エースだったから」

JIMIN「完全に軍人になって、芸能人ということを一瞬忘れてた」

 と笑い合った。またその芸能人に戻るのに体重が心配だ、10キロ太った、言い訳ばかりだけどこれから痩せる、行動で見せるとこれまた笑いを誘った。

 ともあれ、これでついに6人が帰ってきた。あとは6月21日に除隊予定のSUGAだけ。

  そして、BTSが7人に戻る。

  この日を、待っていた。

  あの日から、ずっと。

  BTS第二章の幕が、いま上がる。

 (了)

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この記事の著者
日野百草

1972年生まれ。日本ペンクラブ広報委員会委員。出版社勤務を経て国内外における社会問題、政治倫理を中心に執筆。大学院で芸術学を専攻、修士(芸術)、芸術修士(MFA)。文芸論、人物評伝および比較史におけるポップカルチャー、またフィギュアスケートなど舞踏芸術に関する論考も手掛ける。2018年、評論「『砲車』は戦争を賛美したか 長谷川素逝と戦争俳句」で日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞を受賞。著書『評伝 赤城さかえ 楸邨・波郷・兜太に愛された魂の俳人』他。

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